東海テレビ国際基金 多文化交流プログラムpresents「楽しいリサイクル・アップサイクルを考えよう」

私たちの生活が豊かで快適になるにともなって、たくさんのものが捨てられるようになり、地球環境や生態系にさまざまな影響を及ぼすとされる“ゴミ問題”が世界で深刻化しています。この問題解決につながる1つの手段として注目したいのが廃材に付加価値を持たせて新たな製品を作り出す「アップサイクル」です。そこで日本だけでなく、様々な国にルーツを持つ高校生が集まり、廃品で楽器を作る「みらい楽器ラボ」の創さんをゲストにお招きし、私たちにできる「アップサイクル」について考えました。

アップサイクルとは?
本来であれば捨てられるはずの廃材に、デザインやアイデアといった新たな付加価値を持たせて別の新しい製品に生まれ変わらせること。リサイクルは、廃棄物や不用品を一度細かく粉砕したり融解したりして、製品が作られる前の資源の状態に戻してから再度利用するのに対して、アップサイクルは素材や特徴をそのまま活かして、より良い新たな製品を作ります。


廃品を楽器にアップサイクル!
「みらい楽器ラボ」の活動とは?

日用品楽器ユニットkajiiのメンバーとして活動する創さんが立ち上げた「みらい楽器ラボ」では捨てられるはずの廃材から、様々な楽器を作り、演奏会やワークショップを行っています。

どうして廃材で楽器を作ろうと思ったの?

音楽を始めたのは高校生のころ、たまたま路上ライブを観てかっこいいなと思ったのがきっかけでした。プロのドラマーになりたかったのですが、音楽の世界で仕事をしていくのは難しく…。自分なりの武器を探す中で手作り楽器に挑戦してみましたらすごく楽しくて、これで勝負したいと思ったんです。大きいものから小さいものまで150種類くらい制作しました。

創さんの作る楽器は、アルミ缶のオルガンに、ビニール傘の笛、引き出しの弦楽器など、身の回りのもので作られたものばかり。

中でも目を引くのがペットボトルがたくさん並んだエアコークと名付けられた楽器。

ポンプでペットボトルの中の空気圧を変えて音階を作っているのだそう。

これらの楽器を使って、様々な曲を演奏していただきました。

廃材で出来ているとは思えないきれいな音色!

ダンボールを使って作られたオーシャンドラムを使って、創さんと一緒に演奏に挑戦も。曲は創さんのオリジナル曲「Ryugu」です。

オーシャンドラムとは、その名の通り波のような音がする楽器で、ダンボールの中にツブツブが入っています。そのツブツブが動くことで音が鳴ります。
演奏のコツはゆっくりと回すように傾けること。そうすることで音が途切れずに美しい波のような音色を奏でることができます。

身近な廃材がアイデア次第で立派な楽器に変わるなんて驚きました!僕も作ってみたいです。


実際にアップサイクルに挑戦!
廃材を使ってペットボトルキャップ回収ボックスを飾り付け

東海テレビでは、従業員の皆さんやイベント会場でペットボトルキャップを回収、ユニセフを通じて世界中の子どもたちにポリオワクチンを寄付するペットボトルキャップチャレンジが行われています。
そこで、皆さんに楽しみながらこの活動に参加してもらえるように、キャップを入れるとペットボトルに当たり、音を奏でながら落ちていく回収ボックスを愛知県立名古屋聾学校インテリア科の皆さんが作ってくれました。

エアコークと同じく、ペットボトル内部の空気圧を変えることで、音が変わります!

この回収ボックスの両サイドを飾るボードを廃材を使って作ります。テーマは「山と海」。それぞれ家庭や学校で出た廃材を持ち寄って、思い思いの「山と海」を表現しました。

使う廃材はみんなの家庭や学校から持ち寄ったもの。普段なにげなくゴミを捨てている人が多いと思いますが、こうやって意識をしてみると想像以上にいろんなものを捨てているのがわかります。

どの廃材をどう使うか考えるのが楽しかったです。みんなのボードを見ると自分では思いつかなかったアイデアが詰まっていて、面白い!

みんなで作ったBOXは、ドーム前にある東区の市民ギャラリー矢田に寄贈され、地域の多くの子ども達に利用されていきます。

他に私たちにできることは?
アップサイクルのアイデアを考えよう!

廃材を使った楽器やペットボトルキャップ回収ボックスのように、私たちにもできるアップサイクルのアイデアを、そしてそれをより多くの人に広めるにはどうすればいいかを4つのチームに分かれて考えてみました。

●Team A


中国は日本よりもゴミ問題が深刻化しています。そこで様々なアップサイクルが行われていますが、その中の一つに廃棄される自転車を使って作られた家具があるのだそう。普段なにげなくゴミを捨てている人が多いと思いますが、今回ペットボトルキャップ回収ボックスを飾る廃材を持ってくるために意識してみると、思った以上に色々なものを捨てていたこと、そして廃材にもユニークな形や可愛らしい色などざまざまな魅力があることに気づきました。そこから「価値は“実用性”だけではなく、かっこよさ・可愛さにもあり、それらを与えることもアップサイクルにつながる」という発見がありました。また、廃材には新しいものにはない“歴史や背景”があるから、それも価値になり得るという意見も。文化祭でも積極的に廃材を利用している学校があったので、学校単位で取り組めると高校生にとってアップサイクルがもっと身近になるのでは?

●Team B


身近なアップサイクルとして「ガチャガチャのカプセルをおもちゃにする」「コスメをクレヨンにする」などがあがりました。ベトナムの学校ではカフェテリアにペットボトルで作られた大きな龍が飾られていて、とてもクオリティが高かったので、それをみるとペットボトルをリサイクルしたくなったそう。こういったアップサイクルで作られたものを拡散力のある“SNS”をうまく使って広めることで、多くの人にアップサイクルを知ってもらうことができるのではないかという意見が上がりました。また、個人単位で頑張るだけでなく、学校や企業が廃材の回収ボックスを設置すれば、もっと積極的にアップサイクルに関わりやすくなる声も。

●Team C


まず最初に身近な廃材は何があるかを上げ、それらの使い道を一つ一つ考えていきました。牛乳パックをまな板にしたり、卵の殻を肥料にしたり…。フィリピンではクリスマス時期にペットボトルで「クリスマスキャロル」という飾りをつくるそうです。また、普通は捨ててしまうゴーヤの種や綿にカレー粉を混ぜて炒って食べている家庭も。こういったアイデアをこれからの社会を担って行く若い世代に伝えることで未来に繋がっていくので、「保育園や幼稚園、小学校でワークショップを行うのはどうか。さらに子どもたちがアップサイクルに興味を持てば、そこから保護者にも意識や発想が広がっていくことも期待できるのでは」と考えました。

●Team D


世界でどんなアップサイクルが行われているか、知っている事例を出し合っていくなかで、どの国の学生からも多くの事例が上がったのがファッションに関することでした。ファッションは高校生から関心も高く、アクセサリーや小物づくりなど、個人でもチャレンジしやすいジャンル。そこでファッションをきっかけにアップサイクルを広めるためにはどうすればいいかを考えます。より多くの高校生にアップサイクルについて考えてもらうきっかけとして、「学校行事を行うのはどうか。チームごとに“ダンボール”や“ペットボトルキャップ”など身近な廃材から使う材料決めて、ファッションアイテムを作り、ファッションショーを行う」というアイデアが。文化祭や体育祭のように、学校全体で盛り上がる行事にすることで、楽しみながらアップサイクルについて意識をできるようになるのではないでしょうか。また、高校生にとって一番身近なアイテムである教科書も、卒業するときに捨ててしまうのはもったいない。先輩たちのメモを書き込んだ教科書は後輩たちにあげることで、貴重な情報が詰まったオリジナルの参考書となるという学生ならではの意見も。


「アップサイクル」について考えることで、たくさんの気づきがありました!

創さんの演奏を聴いたり、ペットボトルキャップ回収ボックスを作ったり、実際に“体験する”ことでアップサイクルの楽しさや楽しさを知ることができました。

みんなと話し合いながら、アイデアを膨らませるのが楽しかったです。家でもアップサイクルをやってみようと思います!
小さなアイデアもみんなで話し合うことで大きく変化するので、どんどんアイデアを共有していきたいです。私たちの未来は私たちの手の中にあります!

各国のSDGsへの取り組みを知ることができ、勉強になりました。
次は自分がこういうイベントを企画する側になって、もっとたくさんの人にアップサイクルの楽しさを体験してほしいです!

日本のみんなに自国の文化を発信できて、アップサイクルについても考えられる、とてもいい経験でした!



本イベントの様子はカラフルダイヤモンドの古川流唯さん・内海太一さんにレポートもしていただきました!レポート動画もぜひご覧ください。


ゲスト:創
司会:東海テレビ CSR推進部 臼井ゆり



愛知県在住の打楽器奏者、楽器発明家。
「音楽と楽器をもっと身近に」をテーマに、ペットボトルや空き缶、身の回りのありとあらゆるものから150種類以上の楽器を独学で制作。日用品楽器ユニットkajiiのメンバーとして、40を超えるテレビ番組に出演。名古屋を拠点に、全国でコンサートやワークショップを行っている。




東海テレビ CSR推進部 臼井ゆり
東海地区の歴史や伝統文化、地元のアーティストを中心に、地元愛を大切にした多くのイベントや舞台、観客が参加できる体験型イベントのプロデュースを事業部所属時に数多く手掛けた。

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