渡邊圭祐|『ブラックナイトパレード』「福田組の作品に出演できたことは財産でもあり経験になった」

中村光さんの同名漫画を福田雄一監督が実写化した映画『ブラックナイトパレード』。世界中の子どもたちにプレゼントを配るサンタクロースハウスで働く人生負け組のフリーター・日野三春を主演の吉沢亮さん、狂気的なハッカー・北条志乃を橋本環奈さん、DQNのチャラ男・田中カイザーを中川大志さんが演じ、サンタクロースの真実が描かれる!? 三春の同僚で笑わないイケメン料理長・古平鉄平を演じた渡邊圭祐さんにお話を伺いました。

悲願の福田組に仲間入り
撮影現場の様子は?

『ブラックナイトパレード』の出演が決まってからクランクアップまでを振り返っていただいて改めて出演されたことについてどう思われていますか?

渡邊 すごく有意義な時間でした。同世代の大活躍されている方とご一緒する機会は多いようで少ない方だったので、(皆さんの演技を) 間近で見られたことと、悲願であったと言うとちょっと大袈裟かもしれないですけれど、福田組の作品に出演できたことは財産でもあり、経験になりました。

福田監督と初めてお仕事をされてみていかがでしたか?

渡邊 楽しい時間でした。楽しいことがお好きなんだろうなというのが伝わってきて、いい意味で印象通りでした。またどこかでご一緒できたらいいなと思っています。

福田監督は出演者の方がつい笑ってしまったシーンを使われることがありますが、撮影中に笑ってしまいそうになったシーンはありましたか?

渡邊 鉄平というキャラクターを作るうえで無表情でいることはすごく重要な要素のひとつだったので、なるべく笑わないようにしていたんですが、いかんせん僕はゲラなので、帽子さんと絡むシーンではカメラに背を向けてしまうぐらい笑ってしまいました。福田監督は、演者が笑うところを使われるというのはなんとなく情報として入っていたので、そこに甘えちゃったわけではないんですけれど、笑っちゃいましたね。

映画に出演される前と出演された後で原作のイメージは変わりましたか?

渡邊 変わらないですね。変わらず面白い。ちゃんと波があってテンポも良くて読んでいて飽きない原作ですが、おそらく本作を何回観ても飽きないんじゃないかなと思います。

共演者の吉沢亮さん、橋本環奈さん、中川大志さんとの撮影で印象に残っているエピソードをお聞かせください。

渡邊 橋本さんは今回ピンクの髪型がキャッチーな部分でもあるんですが、あれをコスプレで終わらせない力強さと言いますか、本人との馴染み方がすごかったです。吉沢君と大志君はふたりとも虫がめちゃくちゃ苦手なんですけど、撮影が夏で夜に撮影することが多くて。虫が出てくるたびにふたりがすごく良いリアクションを取っていて、それを “僕は虫大丈夫だけど” って誇らし気に眺めていました。

(笑)。鉄平はイケメン料理長ですが、普段はお料理をされますか?

渡邊 今年はまだキッチンに立って料理をしていないです(笑)。料理が上手な方って余った食材を次の料理に活かす工夫が上手いと思うんですが、それができないんですよね。

もし鉄平に料理を作ってもらうならどんな料理を作ってもらいたいですか?

渡邊 劇中でも出てきますが、豚汁とか和の汁物です。簡単なようで難しいと思うので。

今年のクリスマスは誰と
どのように過ごしたいですか?

渡邊さんはどんな高校生でしたか?

渡邊 活発な目立ちたがり屋だったと思います。行事があったら率先して前に出ていくタイプです。新しいことをやりたくて積極的にいろいろ参加していました。

体育祭、文化祭、どの行事ですか?

渡邊 もう全てにおいて。高校1年の時に2つ上の男前の先輩ふたりが文化祭の司会をされていて、「3年になったら僕らもやろうぜ!」って友だちと約束しました。2年の時の文化祭では新しいことがやりたくて、僕が最初に手を挙げて「ミュージカルをやろう!」と提案したんですよ。それが通っちゃって。結果すごく評価していただきました。3年では約束した友だちと一緒にメインの司会をして、7回ぐらいコスプレをしました。その友だちが「俺ら司会だから今年は自由でしょ? 今年は学年で面白いヤツを集めてミュージカルをやろうぜ!」って、僕らが学年で好きな子たちを各クラスから集めてみんなでやったんですが、鬼のようにスベりました(笑)

お話を聞いているとすごく楽しそうです。ミュージカルをされたということですが、その時から俳優になることを意識されていましたか?

渡邊 “高校時代はとりあえず大学に進学しておけばいいでしょ” という感覚が強くて、その時楽しければいい、みたいな感じで楽しいことを探していたら、たまたまミュージカルだっただけなので、それがきっかけになったわけではないです。

高校時代の一番のクリスマスの思い出を教えて欲しいです。

渡邊 2年の時にお付き合いしていた方と少し背伸びしてディナーに行くことになったんですけど、当時バスケ部に入っていて、その日に遠方で練習試合が入って夜までかかってしまって。汗だくですごく遅れてしまいながらもディナーに行ったことが記憶に残っています。初めて大人っぽいクリスマスを過ごしたのがその時だったかな。

今年のクリスマスはどのように過ごされたいですか?

渡邊 クリスマスは映画の公開直後ですね。今、これを読んでくださっている皆さんと劇場で一緒に過ごしたいです。

今年、サンタさんがプレゼントを届けてくれるなら何が欲しいですか?

渡邊 25歳まで地元の仙台にいたということもあって、地元に家が欲しいです。大人になったので夢もデカくなっちゃってます(笑)。僕の周りの地元の友だちは家庭を持つのが割と早くて、家庭を持つと自分の時間や友だちと過ごす時間は普通に考えたらどうしても減ると思うんですよ。ただ、その中でも一緒に過ごせる時間は濃いものにできたらいいなと思うので、友だちがワッと集まれるようなスペースが地元に欲しいですね。

では最後に、映画の公開を楽しみにしている高校生にメッセージをお願いします。

渡邊 改めてピュアな気持ちにさせてくれる映画です。高校生っていろんなことを知ってきて、小学生の頃と違うぜ、大人だぜっていう感覚をちょっとずつ持ち始めている時期だと思うんですけど、『ブラックナイトパレード』は、あっ! と気付くことがたくさんあって心温まるお話ですので、ぜひ劇場でご覧になってください。

今月の特集テーマ
「今の高校生世代に思うことは?」

渡邊圭祐

今は世界中の人とつながれるし、いろんなものを見て、いろんなものを買えて、すごく羨ましいなと思うと同時に、今高校3年生の方々はコロナの影響をモロに受けていて、大変な時代を生きていらっしゃるなと思います。僕らの時は目の前に見えるものしか選べなかったけれど、今は選択の余地があって、何倍にも膨れ上がった情報から学ぶって大変だなっておじさんは思っています。

読者プレゼント

『ブラックナイトパレード』
  • 監督・脚本:福田雄一
  • 原作:「ブラックナイトパレード」中村光(集英社「ウルトラジャンプ」「デジタルマーガレット」連載)
  • 脚本:鎌田哲生
  • 出演:吉沢亮
    橋本環奈、中川大志、渡邊圭祐
  • 配給:東宝

©2022「ブラックナイトパレード」製作委員会 ©中村光/集英社

12/23(金)全国公開