Novel Core|「歌詞を書く作業は、自身との対話でもある」自他共に認める“重度の活字オタク”

Novel Core

昨年末にリリースした1stアルバム『A GREAT FOOL』を引っ提げ自身初の全国ツアーを完遂したNovel Coreさんが、早くも8月3日に2ndアルバム『No Pressure』をリリース! 心の奥底までストレートに響いてくる歌詞の一つひとつに注目して聴いてみて欲しい。

ストレートな今の思いが綴られた
2ndアルバム『No Pressure』

アルバム『No Pressure』はどの曲も聴いているとCoreさんに語りかけられているようで、自分に自信が湧いてくるというか、“いけそうだな”という気持ちになりました。

Novel Core めちゃめちゃ嬉しいです!

前作から今作にかけて、作品に込める思いに変化はありましたか?

Novel Core 前作『A GREAT FOOL』は、自分はこう生きたいのにみんながこう生きているから自分もこうあるべきだ、と社会の中で自分がなんとなく感じている窮屈さに対して、“自分がどうありたいか” で生きていける人でいたいなという気持ちで作ったアルバムだったんですが、今作は窮屈さすらも楽しんでしまう感覚を大事にしようと思って作りました。

Novel Core

窮屈さすらも楽しむ感覚なんですね。

Novel Core 前作の制作が終わった昨年12月に、チームのスタッフさんたちと「次のアルバムは過去と向き合うとかではなく、純粋に “音楽が楽しい” という気持ち、“No Pressure” で作りたい」という話をしたんです。先にタイトルが決まったんですが、いざタイトルトラックの『No Pressure』を作り始めたら、“プレッシャーがない” という感覚というより、不自由さやネガティブがあったからこそ自由やポジティブを感じられる自分がいるなと思って、“不自由さを知っているからこそ歌える自由さ” をテーマにアルバムを作りました。

アルバム曲の中で、特に気に入っている歌詞はありますか?

Novel Core 『HAPPY TEARS feat. Aile The Shota』の「賑やかな街でも手探り/独りぼっちの80億人」というワードは自分でもしっくりきたところがあって。僕はずっと独りぼっちだと感じる時間が多かったんですが、ある時から、もしかしたらみんな独りなんじゃないか、みんな平等に心の中に孤独があって、人に見せられない弱さを抱えて生きているんじゃないかと思うようになったんです。メジャーデビュー前に書いた『Right Here』でも似たようなことを歌っていて、これは当時好きだった子に向けて書いた曲なんですが、「君が一人でも俺も一人なら/今二人はいる同じ場所に」という歌詞があるんです。その最終形態が今回のフレーズなのかなと思っています。

地球規模になったんですね! 他にも何かありますか?

Novel Core 『No Pressure』の「あがきもがく君を見て/皆「悩む必要ないよ」とか言った/このネガも今の居場所なんだって奴もいる/きっと僕もそうだ」というフレーズも気に入っています。悩み事を誰かに言うと、「そんなこと悩む必要ないよ」と言ってくれることが多いと思うんですが、その悩んでいる時間だけが自分の居場所な時ってあると思うんです。僕は悩んだりもがく時間があっていいと思うし、それも含めて自分の居場所を大切にしてあげて欲しいなと思っています。

『No Pressure』の「SNSのいいねが正義」という歌詞も、SNSで便利になった一方で、友だちの楽しそうなインスタがプレッシャーにもなる私たち世代の共感は大きいと思います。

Novel Core よくわかります。昔以上に人の幸せが可視化される時代になったなと思うんです。これまでは、近くにいる人の話を聞いて初めて人の幸せと自分の幸せを付き合わせる時間ができたけど、今は違いますよね。みんなが好きな時間に何が起きてどう思ったかをつぶやいて、80億人全員の幸せの形が見えてしまうからこそ、決して幸せの形はひとつじゃないとわかっていても、どこかで自分の幸せと比較して辛くなることが誰にでもあると思うんです。

Novel Core

本当にそうですね。

Novel Core “プレッシャー” って、“こうあるべき” と思う部分だと思うんです。自分がどうありたいかだけで生きていければいいのに、どこかで “こうあるべき” と思ってしまって、自分の幸せを自分が肯定してあげられなかったりして。でも僕はある時期から、今日早起きできたとか、コーヒーが美味しく淹れられたとか、そういう何気ない一つひとつの瞬間が幸せであって、そういうものを幸せだと思う心を持つことの方が大事だったんだなと思うようになったんです。自分のキャパシティを逆に小さくして、少しのことで心が溢れるようにするみたいな。足るを知る、みたいな感覚になってきたのかなと思います。



▶人生で一番辛かった15歳の自分を救いたくて曲を書いている