「失敗してもそれが成功に繋がっていく」空音さんが教えてくれたチャレンジすることの大切さ

クリープハイプとのコラボなど、ジャンルに縛られない多様な音楽性で、大きな話題を呼んでいるHIPHOPアーティストの空音さん。6月23日にリリースとなるDigital EP『Alcoholic club』についてお話を伺いました。

4曲が1つのストーリーになっている「お酒」をテーマにしたEP

今作のテーマは「お酒」とお聞きしました。

空音 20歳になって、お酒をみんなで飲んだり、家で映画を観ながらお酒を飲んだりするようになった今だからこそ書けることだなと思って選んだテーマです。

『Alcoholic club』を1曲目に持ってきた理由を教えてください。

空音 このEPは1つのストーリーになっているんです。まず1曲目で「Alcoholic club」という架空のクラブに入店する。2曲目の『TSUMAMI』では様々な話をツマミにしながらみんなとお酒を飲んで、最後の『crayon』は家に帰ってお酒が抜けてきたころに、今日は楽しかったなって目を瞑って夢うつつというイメージ。だから『Alcoholic club』が1曲目じゃないとストーリーが成り立たないんです。

『TSUMAMI』は歌詞に“コロナ”などの言葉が入っていますが、どんな想いが込められているのでしょうか?

空音 SNSで誹謗中傷をしている人たちって可哀想だなと思って作った曲です。自分の人生を楽しくできるのは自分しかいないんだから、今はこの曲の歌詞のような楽しいことはできないけれど、もっと余裕もった方がいいよ、と。

この曲はあまり聞いたことのない音色の楽器が使われているのが印象的でした。

空音 ギターやベースだけでなく、管楽器の音が入っています。普段あまり聴かない音って結構耳に残りますよね。曲を作るときに使っているソフトに様々な楽器の音が入っているので、そこから選んで制作してもらっています。

『SPLASH』の歌詞で一番気に入っている部分はどこですか?

空音 サビの「99%の不可能より 1%が鍵」ですね。若いときは悲観的になりがちですが、チャレンジすることを恐れないでほしいです。

MVを観ることで、歌詞がより頭に入ってきたのですが、MV製作でこだわっているところはありますか?

空音 MV制作は監督やスタッフと話し合いながら進めていきます。自分が歌っているシーンに関していうと、歌詞が伝わるように表情や動作にもこだわっています。

『crayon』は他の3曲と比べ、しっとりとした曲調で、空音さんの声も優しげに聴こえるのですが、歌い方で意識したことはありますか?

空音 プロデューサーのアドバイスもあり、いつもみたいに声を張るのではなくて、ゆっくり歌っています。歌詞に合わせた声の明るさや強弱も意識しています。

様々な画材がある中で、クレヨンを選んだのはなぜですか?

空音 子どもの頃に戻ることってもちろんできないじゃないですか。でも、その時にあったものってすごく温かいと思っているんです。大人になった自分が子どもの時に思っていたことを大切にしたくて、優しい気持ちになれるクレヨンを選びました。

ジャケットに描かれている建物はお寺のように見えるのですが、どこかモデルになった場所はありますか?

空音 特にモデルになった場所があるわけではないですが、「Alcoholic club」というクラブに入って行く僕を描いてもらいました。クラブなのにお寺というギャップからジャケットを見た人が作品に惹かれてくれたら、と思っています。

ストレートな言葉がHIPHOPの魅力!
聴きやすい曲も増え、これからもっと広がっていく

様々なジャンルの音楽があるなかで、HIPHOPを選んだ理由はなんですか?

空音 すごくストレートな言葉で歌うところがかっこいいなと思ったんです。それに若い子の味方である音楽というところにも魅力を感じました。

曲はどのように作られているのでしょうか?

空音 他の音楽からインスピレーションを受けることが多いです。HIPHOP以外の音楽からも学ぶことがたくさんあります。世界にはたくさん素晴らしい音楽が溢れていて、それを子どものころから聴いていたのが、今の僕の曲に繋がっているんだと思います。

逆に最近はいろんな音楽にラップが取り入れられていますが、そのことについてどう思われていますか?

空音 HIPHOPって怖いイメージを持たれていた時代もあったと思うんですが、今は聴きやすい曲も増えてきていて、これからもっと広がっていくと思っていますし、もっと広がってほしいなと思っています。

たくさんのアーティストさんとコラボされていますが、コラボして楽曲を作るメリットは何だと思いますか?

空音 年齢やキャリアが違う人と制作をするときってインスピレーションがたくさん湧いてくるんです。自分の知らないことを知ることができるので、もっと音楽を面白いと思わせてくれるんですよ。成長できる土台を作ってくれますね。

コラボ楽曲を制作する上で、苦戦することはありますか?

空音 コラボする人と、ある程度のテーマを決めていても、いざお互い歌ってみると少しお互い認識が違っていることもあったりして。2人でテーマを合わせて1つのゴールに向かうという二人三脚の作業が難しいです。

選択をするときに大切なのは自分の人生が豊かになるかどうか

空音さんは進路で悩んだことはありますか?

空音 めちゃくちゃありました。勉強も働くのも全部面倒だと思っていたこともあったので。でも、音楽聴くことだけはそんなときでも、楽しかったんです。毎日音楽に生かされていました。就職先が決まったときも、そこで働いている自分が想像できなかったし、自分と同世代が音楽を続けているのを見て、負けたくないと思って、2月に内定を辞退しました。母親は認めてくれたけれど、学校からの理解を得るのが大変で。結構悩んでいましたね。

重要な決断をする際、何を大事にしていますか?

空音 自分の人生が豊かになるかどうかです。音楽の道を選んだのも、その方が楽しい瞬間がたくさん生まれるだろうと思ったからで、しんどくても得るものが多いだろうと思う方を選ぶようにしています。もし、失敗してもきっとそれが成功に繋がっていくから大丈夫。

読者プレゼント

空音

DISC INFO

Digital EP『Alcoholic club』
Android/PC AL(VEAWA-38658):¥942(税込)
※サービスによって異なる場合がございます。
iTunes/Amazon AL(VEAMZ-38658):¥900(税込)
iTunes/Amazon AL(VEATP-38658):¥1,019(税込)
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空音 -TREASURE BOX TOUR- 振替公演
7/3(土) 名古屋ボトムライン(愛知)
7/11(日) LIQUIDROOM(東京)
7/17(土) Live Studio Ripple(宮城)
7/21(水) 大阪なんば Hatch(大阪)
7/31(土) BEAT STATION(福岡)
8/9(月) cube garden(北海道)

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