東海テレビ国際基金 多文化交流プログラムpresents「 未来の“食”を考える」in千種高校

世界には、地球規模で取り組まなければ解決できないたくさんの問題があります。そのなかのひとつが食料問題。この問題を解決するために、注目されているのが昆虫食!そこで、様々な国にルーツを持つ高校生が愛知県立千種高校に集まり、近い将来に想定される食料不足に対する「昆虫食の可能性」について考えました。

司会は東海テレビの勅使河原由佳子さん、ゲストには敷島製パンの杉本拓三さんと松澤萌子さんがお越しくださいました!


東海テレビ
勅使河原由佳子さん

敷島製パン
杉本拓三さん

敷島製パン
松澤萌子さん


1.
東海テレビの「ミライノニュース」『食糧危機を救うコオロギ』を鑑賞

まずは未来の「食」についての問題を知るために、東海テレビの「ミライノニュース」を鑑賞しました。

英語・中国語・韓国語・ポルトガル語字幕付きの『食糧危機を救うコオロギ』を「Locipo(ロキポ)」で視聴できます。
「Locipo(ロキポ)」のダウンロードはこちら!⇒iOSAndroid

東海テレビ「ミライノニュース」とは…
持続可能な未来に向けて活動する地域の人々に光を当てる、夕方のニュース番組「NEWS ONE」のキャンペーン企画として放送中。

2050年には…
世界人口は97億人になり、現在の2倍の食料が必要に!
今のままでは食料生産が追いつかなくなり、飢餓問題が拡大。

そこで、未来の食を救うために注目されているのが“昆虫食”!
例えばコオロギと牛肉を比べると

  • タンパク質の含有量(100gあたり)…約4.3
  • 飼育に必要な餌…約1/12
  • 飼育に必要な水…約1/52

コオロギは栄養が豊富で、生産にかかるコストが少ないというメリットがあります。さらに、飼育にあたって排出される温室効果ガスは牛肉と比べ約1/1780。環境にも優しいんです!


2.
世界の昆虫食事情を教えて!

では、現在世界ではどんな昆虫が食べられているのでしょうか?各自の体験談を交えながら、各国の昆虫食事情について聞いてみました。

  • バングラデシュでは昆虫食の文化はないので、食べるのには勇気がいりますね。
  • パキスタンでも昆虫は基本的に食べないです。
  • 中国ではそのままの姿で焼いたり揚げたりした虫を食べますよ。レストランでも出てきます。
  • 僕は食べたことはないですが、フィリピンでも昆虫はよく食べられています。
  • タイでコオロギの素揚げにチリソースをかけたものを食べました。カリッとしていておいしかったです!
  • 日本でも地域によっては昔から虫を食べる文化があるよね。イナゴやハチノコ、それにカイコを食べる地域も。
  • チーズ味の芋虫スナックを食べたことがあります。チーズの風味が強かったので違和感なく食べられました。
  • 蜘蛛やゴキブリを焼いて食べる地域もありますよ。

→地域によっていろんな種類の虫が食べられていて、文化の多様性を感じます!


3.
コオロギパウダー入りのパンを試食!

実際に昆虫を使った製品ってどんな味なの?と、いうことで、Pasco(敷島製パン)のコオロギパウダーが練り込まれたフィナンシェとクロワッサンを試食しました。

もっと苦味があるかと思っていたけど、全然そんなことはなかった!一度食べてみると抵抗はなくなるかも。
パウダーにすることで虫感がなくなるので、そのままの姿では食べられないという人でもチャレンジしやすくなりますね。

実際に食べてみると、味は普通のパンと変わらないので、栄養やコスト、環境のことを考えると、昆虫食のメリットは大きいなと思います。

→百聞は一見にしかず!今回試食した製品はPascoのオンラインショップで購入できるので、気になる人は食べてみては?

※コオロギには甲殻類と類似した成分が含まれているので、えびやカニのアレルギーをお持ちの方はお控えください。


4.
チームに分かれてディスカッション!

ここまでで学んだ知識をもとに、チームに分かれて近い将来に想定される食料不足に対する「昆虫食の可能性」について話し合いました。

●Team A

ミライノニュースを観て昆虫食のメリットを知り、それならば美味しく食べられるようになるにはどうしたらいいかを考えることに。「試食をしてみると、おいしかったけれど、食べる前は抵抗感があった」ということで、その抵抗感の正体を探ります。そこには虫は食べ物ではないという固定観念があることに気づき、「固定観念を持つ前の幼少期から食べる」「毎朝食べる食パンにすることで昆虫食を特別なものではなく日常的なものにする」という意見が上がりました。また、大人よりも10代のほうが新しい物事にチャレンジしやすいので、高校生が普通に食べるようになれば親世代も食べるようになるのではないかということで、「学食で販売する」、小麦粉のような粉商品にして「調理実習で使ってみる」といったアイデアも。

●Team B

昆虫食を食べたことないメンバーが集まったTeam B。にもかかわらず、フィナンシェとクロワッサンをとても美味しく食べられました。みんなでその理由を考えてみます。「パウダー状にして練り込ことで虫の姿を想像させないから」。特にフィナンシェは甘みがあることで食べやすくなっていたので味が濃い料理に使えば虫っぽさを感じにくくなること、敷島製パンの方にコオロギパンは焼くと香ばしさが出るという特徴を教えていただいたことで、ピザ生地に練り込むのがいいのではという提案が(香ばしさも活かせるし、チーズやトマトやトッピングで味も濃くなるから)。また、タンパク質が多く含まれているので、ボディメイクや美容に良いという面ももっと押し出せばいいという声もありました。

●Team C

昆虫食に慣れ親しんでいる国からの参加メンバーがいたので、小さい頃から食べていれば、違和感なく食べられるのではという話に。また、食べたい、食べたくないの問題ではなく、まさに飢餓問題が目の前で起こり、他に食べるものがないのであれば食べざるを得ない。食料危機に対する解決策のひとつになるとするならば、抵抗がある人でも食べられるようになる工夫をするべき。実際に試食をしてみると、満腹感が感じられたので、今からでも飢餓問題解決の一手としてうまく活用していけると良いなという意見も。

●Team D

食糧難においての昆虫食のメリットを学んだ上で、“昆虫食の衛生面”が気になるという人が多いので、「食用の虫は“養殖”で安全であることをアピールするべき」というテーマで議論がすすみます。その中で、「牛肉のように産地や餌などでブランド化することで、プレミアム感を演出してみては?」という面白いアイデアが。その他、やはり一番信用できるのは友達の言葉なので、いつもお腹を空かしている学生に向けて、休み時間に友だちと一緒に食べられるように学食や購買で販売してみてはという意見も。「高校生はいつもはらぺこです!」というキャッチコピーを作り、元気にプレゼンする様子が印象的でした!


イベント終了後もみんなで記念写真を撮ったり連絡先交換をしたり、盛り上がりました!

お互いの食文化の違いを教えあいながら、国境関係なく仲良くなれたことが楽しかったし、嬉しいです。

まだまだ喋りたりないくらい楽しく学びのあるイベントでした。
様々な背景を持つ人とディスカッションをするからこその新しい発見や気づきがありました。

参加する前は言語の壁があるのではと心配でしたが、みんなととても楽しく話すことができました。
学校も学年もバックグラウンドも違うみんなとフレンドリーに話すことができて嬉しかったです。今回は“食”がテーマでしたが、違う話題についてもディスカッションしたいです!

知らなかった知識を知れたり、自分では思いつかないような考え方や意見を聞くことができて、貴重な体験をすることができました。


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