【前編】sumika|「高校生には大切な人と過ごす高校生活のBGMにして思い出と共に残して欲しい」

sumika, For.

10周年イヤーを迎えたsumika。“続けること”を目標として舵を取ってきたという4人が、この10年を振り返って話す思い出のエピソードは必読! 9月21日にリリースされた4th アルバム『For.』のことも、4人のほのぼのとした空気感とともにたっぷりとお届けします!

10周年を振り返る
sumikaの思い出エピソード

TikTokで『Lovers』や『フィクション』の双子ダンスが流行っていたり、卒業時に作る動画のBGMに使うなど、高校生はsumikaさんの曲に大変お世話になってます!

片岡 嬉しいですね。高校生の方と直接お話する機会はなかなかないので、僕たちも楽しみです。

10年変わらないsumikaの軸

この10年、ずっと変わらないsumikaの軸は何ですか?

片岡 バンドの目標はずっと続けていくことなので、5周年とか10周年とか、区切りごとに今回のアルバムのように花火は上げるんですが、燃え尽きすぎちゃうと終わっちゃうと思うので、心の中で“これは続けていけるんだろうか?”と考えながら物事を決めていくようにしています。例えばこれをやったらセールス的に売れるかもしれないよ、と言われたことがあったとして、それをやって売れたとしても自分たちが音楽を嫌いになっちゃったら続けられなくなりますよね。それなら目先の数字に動かされずに自分たちが音楽を嫌いにならない選択をしていこうというのは続けてきました。

語り継ぎたい面白エピソード

ではこの先も語り継ぎたいsumikaの面白エピソードを教えてください!

黒田 いっぱいあるんですけどね…(笑)

片岡 高校生の皆さんにこれを伝えていいものか、ということもたくさんありますからね。

小川 2015年、休止を経ての復活のライブのツアー初日の前日にギックリ腰になったんですよね。

片岡 そう(笑)。僕が声出なくなって活動休止して、みんなで復活のツアーに行くぞ! という前日に僕がギックリ腰になって…まさかのまた休止か!? っていう。

黒田 ドラマチック体質だから(笑)

小川 楽屋ではずっと腰を伸ばしてましたね(笑)。これはよく覚えています。

片岡 ギックリ腰って腹筋の使いすぎが原因らしくて、猫背で姿勢が悪いままお腹に力を入れて歌っていたので、リハーサル後になっちゃったんですよね。高校生でもなるらしいので、皆さんも気をつけてください。だから「年齢ではない」と声を大にして言いたい! 部活動の前には必ずストレッチをしてください!

語り継ぎたいsumikaのエピソードは、片岡さんのギックリ腰ということで…。

全員 (爆笑)

片岡 ストレッチ大事! ってことでね(笑)

思い出に残っているMV撮影

では、特に思い出に残っているMV撮影は?

荒井 『Lamp』は結構過酷でしたね。

映像は楽しくて牧歌的な感じですよね。

荒井 映像だと平和そうなんですけど、山の中腹から頂上まで登っていって、尾根を歩いて撮影してまた降りてきて撮影して。風がすごく強かったので、設営していただいたテントとか楽器も飛ばされそうになっちゃったり、最後には熊も出てきちゃって…ウワァーって。

え、そうだったんですか!?

黒田・小川 わはははは。

片岡 でも熊も踊ってたよな。

荒井 やっぱり音楽を介せば熊も友だちになれるんだな、というのはすごく感じたところですね。

あ、なるほど…! 察しました。撮影は1日でされたんですか?

片岡 集合が朝2時とかで。夜9時か10時頃終わって。移動も含めて丸々1日という感じでしたね。

過酷さで言うと『Lamp』が一番でしたか?

黒田 そうですね。スタッフチームにとっては、『Jasmine』も暑い日の炎天下で、影がない中での撮影だったので大変だったと聞きました。

片岡 “シャケ”(『Shake & Shake』)もじゃない? 1曲分を一発撮りで撮ったんですが、出演者の方の中に5メートルくらいの高足のダンサーさん(スティルト)もいらっしゃって、少しでも当たると倒れて事故になっちゃうんです。だから僕らや共演者はもちろん、スタッフさんも当たらないようにしながらセットを変えたりして…あれはもうスポーツでしたね!

黒田 無事に撮れた時は全員が一致団結してましたね。

片岡 その時の「イエーイ!」という瞬間が、MVの最後の映像に使われているんですが、あれはリアルイエーイなんです(笑)。リハーサルですごく時間を使ってしまって、本番が2、3回しか撮れない状態で。最初に「テイク3です!」という声が入っていますが、これで撮れなかったら、本当に多額の追加予算が発生するという状態で…。失敗できないぞという状況で、集中してやりました。全員がMステ生放送みたいな状態でしたね(笑)

小川 でも楽しかったね!

観ている側としてはとてもワクワクしました。

片岡 きっとそういうことなんでしょうね。大変だったものほど観て楽しいっていう。

思い出深いライブでの珍事件

10年を振り返り、ライブでの珍事件の思い出を教えていただきたいです。

黒田 こないだお手洗いギリギリ事件がありましたね。イベントだったのでジングルが鳴って、SEが鳴って入場という流れになるんですが、「あと10秒でジングルです!」と言われた時にお手洗い組が走って帰って来るという…。

小川 大抵はステージの真横とか近いところにあるんですが、その会場は300メートルくらい先にあって。見えてはいるんだけど遠いっていう…。ダッシュしましたね。

片岡 僕は「何があってもジングルは定時で流してください」って言って(笑)。遠くから走って帰って来るのを見るのも面白かったですね。

小川 そのままステージに直行して、いろいろ全部が間に合いました!

過去のライブでは何かあったりしますか?

荒井 僕はコーラスマイクがドラムの左にセットされているので、舞台袖がよく見えるんですが、あるツアー中に、ライブ中の僕にスタッフがだんだんちょっかいを出すようになってきて、急に盗塁のサインを出してきたり、紙に文字を書いて見せてきたり。ツアーの一番最後には紙に「大好き」って書かれていました(笑)。俺にしか伝わんないけど、まぁいいか、愛されてるな、と思って。

荒井さんも笑いを堪えながら、ですね。

荒井 もう笑っちゃってましたね。スタッフがおがりんのお面だらけだったこともありました。日に日に増えていくんですよ。最後には全員が被るようになっちゃった(笑)

片岡 僕らも誰が誰だかわからない。面白かったよね。

小川 スタッフにも愛されてね。

片岡 愛されてるかはわからないよ。舐められてるんじゃない?(笑)

小川 そうかもしれない。でもスタッフもみんなでライブを作ろうという気持ちが嬉しいですね。

sumika, For.

アートワークへのこだわり

毎回すてきなアートワークには、どんなこだわりがありますか?

片岡 毎回テーマを決めて、そのテーマを伝えるためにイラストにしようとか写真にしようとか技法を考えます。毎回頭の中でビジュアルが思い浮かんで、その中で泣く泣く1つに絞るんですが、今回に関しては「終わらせることと続いていくこと」というテーマで、全部正解だなと思ったので、無理を言って初回盤A・B・通常盤と3パターン作らせていただきました。

▶高校時代のsumikaならアルバム『For.』どんな風に聴きますか?