献血で「命をつなぐ」お手伝いをしよう!

皆さんは集められた血液は何にどのくらいの割合で使われるか知っていますか? ケガや事故等で失われた血液を補うための輸血のイメージが強いですが、その割合はわずか3%!多くはがん治療に使われているんです。そこで今回はNPO法人「あいち小児がんの会」の豊島嘉子さんに、献血に対する想いをお聞きしました。

献血とは?

病気の治療や手術などで輸血や血漿分画製剤を必要としている患者さんのために、健康な人が自らの血液を無償で提供するボランティア。輸血に使用する血液は人工的に作ることができず、長期保存もできないので、安定供給のためにはたくさんの人の協力が必要なんです。

献血の流れ


受付&休憩スペースは開放感のある大きな窓に囲まれて、まるでホテルのロビーのよう。

採血にかかる時間は全血献血で10~15分程度、成分献血は採血量に応じて40~90分程度。採血ベッドにはタブレットが設置されていて、動画や電子書籍などを自由に観ることができます。


献血者用のフリードリンクとアイスクリームやお菓子。献血後はお茶やジュースで水分補給をしながらゆっくり休憩します。

今回見学したのは「献血ルーム タワーズ20」
東海北陸最大規模の献血ルーム。JR名古屋駅に直結したJRセントラルタワーズ内なのでアクセス良好!
〒450-6020
名古屋市中村区名駅一丁目1番4号JRセントラルタワーズ20F

「献血ルーム タワーズ20」の詳細はこちら

chスタッフに聞いてみました

Q1 献血をしたことはある?

大半の高校生が「したことがない」という回答でした。「周りに献血が必要な人がいないので、意識したことがなかった。」「行こう行こうと思いつついくタイミングがない。」などの理由が多かったですが、「注射が苦手だから」と不安に思っている人も。

Q2 献血で集められた血液の活用法として知っているものは?

やはり輸血というと医療ドラマでよく見る手術シーンを思い浮かべる人が多いですよね。半分以上の高校生ががん治療にも輸血が必要なことを知ってはいたものの、なぜがん治療に血液が必要なのかは知らないという高校生がほとんどでした。


NPO法人「あいち小児がんの会」豊島嘉子さんにお話をお聞きしました!


豊島嘉子さん
2歳の息子・慶治くんを小児がんで亡くした経験から、NPO法人「あいち小児がんの会」を立ち上げ、レモネードスタンドによる小児がんの普及啓発活動や患者の家族同士の交流の場を作る活動を行っています。

まずはNPO法人を立ち上げたきっかけについて教えていただけますか?

豊島 息子が小児がんになったことがきっかけです。病棟にいる子どもたちは普通の子どもたちのように遊んでいるし、治療が終わったらこうなりたいと夢を持っています。生きたいという意志が強く、一生懸命に治療に向き合っている。だからこそ、「小児がん=かわいそう」というイメージを変えたいと思ったんです。

血液はどのように小児がんの治療に使われているのですか?

豊島 息子が小児がんを発症したのは発熱したのが始まりでした。子どもが熱を出すことはよくあることだとはじめはお医者さんもがんを疑ったりはしませんでした。ですが、高熱が続き、検査したところがんが発覚しました。小児がんは診断された時には全身に転移していることが多いと言われます。なので、すぐに入院が必要になり抗がん剤治療を始めますが、抗がん剤はがん細胞だけでなく正常な細胞も傷つけてしまいます。慶治は抗がん剤が効きすぎて、治療を始めて4日目で大量出血をしてしまったんです。このまま血が止まらなければ亡くなってしまうと、毎日血を止める効果のある血小板の輸血を行い、出血が止まったので次の治療に進むことができました。輸血をしたからがんが治るというわけではありませんが、このように命を繋げてくれる大切なものなんです。慶治のように大量出血をしなくても、抗がん剤治療中はどうしても体力が落ちて、食欲もなくなってしまいます。でも、輸血をすると辛そうにしていた子どもたちが目に見えて元気になるんです。走り回ったり、お絵かきをしたり、ベッドのうえでアイドルになりきってコンサートをしたり。慶治はトミカでよく遊んでいたので、輸血のための赤い血液を見ると「消防車が来た!」と喜ぶんです。そんな子どもたちの様子をみると、親としてはとても嬉しいし、少し病気のことを忘れることができました。私たちがそんな幸せな時間を過ごすことができたのは、誰かが献血をしてくれたおかげなので、献血者さんには感謝しかありません。

慶治くんが小児がんを発症する前と後で、献血に対するイメージは変わりましたか?

豊島 私も10代のころは、献血のことは知っていたものの、実際に行ったことはありませんでした。でも、慶治のことがあってからは、健康な私たちにとっては当たり前に作ることができる血液が誰かの希望に繋がると実感し、たくさん献血をしようと思うようになりました。初めて献血をしたときは、「自分の血液が誰かに輸血されるんだ」と嬉しかったです。

「あいち小児がんの会」はどのような活動をされているのでしょうか?

豊島 小児がんをより多くの方に知っていただくための活動をしています。その中のひとつがレモネードスタンドです。売上を小児がんのお子さんや家族のために活用し、チャレンジしたい子どもたちの居場所づくりにもなっています。また、入院治療に付き添うお母さんたちを支える活動も行っています。レモネードスタンドは主に小児がんを経験した子どもたちが活躍をしていますが、入院期間中は社会からの孤立を感じていた子どもたちも多く、お兄さんお姉さんと触れ合うだけでもとても楽しそうなので、もし一緒に活動してくれる高校生の方がいたら嬉しいです。

最後に高校生にメッセージをお願いします。

豊島 生きるために一生懸命がんばっている子どもたちを応援するために、献血に協力してください。若い方の献血協力は減少傾向です。今は安定して血液が医療機関へ届けられていますが、このまま献血者が減ってしまうと、将来、患者は安心して輸血治療を続けられなくなる恐れがあります。初めてのことに挑戦するのは怖いですよね。なかなか最初の一歩を踏み出すのは難しいと思います。でも、献血は誰かの命をつなぐ、大切なボランティアなので、勇気を振り絞って行動してもらえると嬉しいです。


愛知県赤十字血液センターからみなさんへ
献血は16歳からできるボランティアです。最初は敷居が高く感じるかもしれませんが、ぜひ友だちや家族といっしょに気軽に献血ルームに来てください。体調面から献血が難しい方も、周りの人に献血の大切さを伝える広報マンになってもらえると嬉しいです。


取材を終えて

くみか(高3)

献血は必ず誰かがやらなければならないボランティアだと強く感じました。いままでは機会があればやってみようくらいの思いでしたが、すぐに協力したいです。
豊島さんが語ってくれた、輸血を受けて元気に遊ぶ子どもたちの様子が印象的でした。私たち若い世代が行動をすることで小児がんの子どもたちの希望になれたら嬉しいです。

ゆきの(高2)

はつね(高2)

お話を聞いて、一人ひとりの善意が、誰かの日常を救っているということを強く実感しました。私たち10代をはじめとする若い世代が積極的に献血に参加し、命を繋ぐ役割を担っていきたいです。
がんをはじめとする病気の治療に血液が使われているとは知りませんでした。献血で助けられる命の幅広さ、献血のパワーを知ったので、積極的に献血に行こうと思います。

はると(高1)

いくと(高1)

誰かの命をつなぐことができる。献血は想像していた以上に重要なボランティアでした。僕も16歳になったら献血をしたいし、周りの人にも献血の意義について広めます!
献血は健康な自分に関係ないと思っていましたが、むしろ健康だからこそできるボランティアでした。小児がんの子どもたちの様子もイメージと違っていて、応援したくなりました!

かずはる(高1)

みさき(高1)

献血について、ちゃんと知っているつもりでしたが、実は知らないことがたくさんありました。私たちが行動することで患者さんたちの笑顔に繋がるんだとわかったので、私も挑戦してみたいと思います!

旅立ちの日に、誰かの希望になろう
卒業献血キャンペーン実施中!


キャンペーン期間中、愛知県内の献血会場で献血の受付をされたこの春に高校・短大・専門学校・大学を卒業される学生の方にへ「UHA味覚糖 コロロ 3種セット」をプレゼント!

※献血会場で学生証等をご提示ください

キャンペーン期間:令和8年3月31日(火)まで(記念品が無くなり次第終了)

詳しくはこちらから!

東海北陸ブロック血液センター

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