映画『君が世界のはじまり』金子大地×甲斐翔真に聞く、高校時代。―「告白とか、ちゃんとできるタイプでしたか?」

金子大地

映画やドラマの中で見るような、キラキラしているものばかりが青春じゃない。日常生活に溢れる、うまくいかない恋愛や友だちとの関係、外からはわからない家庭の裏側…そんなものを一気に詰め込み、ドキドキさせる青春映画に昇華させたふくだももこ監督の『君が世界のはじまり』。本作から、金子大地さん、甲斐翔真さんにZoomでインタビュー!

高校時代の進路の悩みは?
不安はどうやって乗り越えたの?

映画の中の登場人物たちのように、校長先生の話が長すぎたり、進学の悩みや親との関係、恋愛など映画に出てくる悩みにとても共感できて、私も高校生なんだなぁと実感できる映画でした。

甲斐 観てくれた高校生自身が高校生だって実感してくれたことは素直に嬉しいです! ありがとうございます!

金子 青春、してますか?

してます!(笑)完成した映画を観てどう思われましたか?

金子 面白かったです。なんか青春してるとわかって青春している感じが僕はすごく良いなと思ったんですけど…そういう時ありませんか? ショッピングモールの帰り際にみんなで「俺ら、ガキやな」って言うシーンはすごくリアルでした。

めちゃくちゃわかります。一匹オオカミ的な伊尾とクラスの人気者の岡田役を演じたおふたりは、実際はどんな高校生でしたか?

金子 伊尾とは真逆で、アホなことばかりしてました(笑)。部活はずっとバスケをしていて、楽しかった思い出はたくさんあります。

甲斐 僕は当時サッカー部に所属していたので、サッカーに対してはすごく真っ直ぐでした。ただ岡田は人が好きでどんな人とも向き合えるけど、僕はそういうセンスは持っていませんでした。

当時悩みはありましたか?

金子 進路は悩みました。周りの友達の就職先や大学が決まっていく中、僕はやりたいことがなかなか見つからなくて。そんな時にアミューズのオーディションを受けて今に繋がっているんですが、当時は進路が何も決まっていなかったので不安はありました。

甲斐 僕は高校1年生の時にスカウトされて、とにかく勉強が苦手だったので、新しいチャンスをもらったので挑戦してみようかなということで進路は意外とあっさり決まりました。

反抗期はありましたか?

金子 ありましたね。

甲斐 殴るとかはしていないけど、マインドやメンタル的な面で、何でもかんでも怒りに変わってしまうみたいな時期はありました。

わかります!

甲斐 でもそれって悪いことではないと思います。今の自分を反面教師にできる時がいつか来る気がします。でもきっとわかってますよ。最近の高校生は悟りの上行ってますから。神。

おふたりの頃と今の高校生は違うと思いますか?

金子 今の高校生はしっかりしてるなと思います。

甲斐 今簡単にニュースが見れるし社会で何が起こっているというのもわかっているし、それを学校で話題にして話し合うじゃないですか。僕らは限られた空間の中でしか話題がなかったというか。今世界にも目を向けられるくらい日本がグローバル化を目指しているから、どんどん下の世代から変わっていっている気がします。

悩んでいた時に支えられたものはありますか?

金子 僕は人でした。友だちや先生、親など人に救われることが多かったです。もちろん音楽や映画に救われたりとか、発散方法があるけど、僕は結構なんでも友だちに話すかもしれない。

甲斐 僕はあまり自分のことを相談するタイプではなかったので、“気楽に”、あまり思いつめないということがモットーです。辛いこともたくさんあったけど、それを忘れるくらい楽しいことをたくさんして乗り越えてきました。

サッカー少年だった甲斐翔真
高校生に戻るなら恋愛がしたい!?

今回高校生役を演じられて、高校時代を振り返って思うことはありますか?

甲斐 何でもない高校生の時の日常が羨ましく思いました。当時は退屈だったかもしれないけど大人になった時にすごくきらめいていた時間だったなと。二度と手に入らない時間ですから。

淡い恋の思い出とかなかったですか?

甲斐 淡い恋の思い出か…。

金子 僕はありましたね。

そうなんですか!? 告白とかちゃんとするタイプでしたか?

金子 僕は告白するタイプでした。

甲斐 僕は本当に付き合うとか、カップルになってどこかデートに行きたいとかはあまりなかったかも。むしろ学校でイチャイチャしているカップルを毛嫌いしていた、お前らここでやんじゃねえよ側の人間でした(笑)

金子 僕も割と男友達といたほうが楽しいと思っていたけど、恋愛していた時もあったかな。恋愛していますか?

してます!(笑)おふたりは、高校時代は青春だったと思いますか?

金子・甲斐 もちろん!

金子 いろんな青春があると思うんですよね。例えばあまり友だちとうまくいかなかったなということでもひとつの青春として残るし。今学校で辛い思いをしてる人がいるなら、それは絶対ずっと続くわけではないと思いますし。そういうテーマも今回の映画にはあるんじゃないかなと思っています。

逆に、高校の時にやり残したことはありますか?

甲斐 恋愛です! それはもう、ほんとに。でも何を取るかなんですよね。僕は高校3年間、サッカーを選んだけど、青春の中でも全部を取ろうとしたら全部中途半端に終わっちゃうから。だからもし戻るなら恋愛をしてみたいですね。

金子 全然悔いはないんだけど、もっと色んなことをしておけば良かったなとは思います。今は言葉だったり文字と向き合う仕事をしてるけど、文字や言葉からは結構逃げてきた学生時代だったので、本をもっと読んでおけば良かったなと思いますね。

では、今回の映画で好きなセリフはありますか?

金子 僕は、翔真(岡田)の「ガキやな」。あれは結構深い。「俺ら今青春してるぜー!」ってことを表していて、好きだな。

甲斐 そうだね。確かに印象的なセリフだよね。僕はどうしても、学校の先生が思い浮かんじゃう。定規持って女子のスカートの丈測る先生。この映画の中であの爪痕を残すキャラクターはすごいなと思います。セリフというより、キャラクター。

都会への憧れ…北海道から上京した
金子大地の東京初日の朝は…?

実は私金子さんと同じ北海道出身で、映画中で伊尾君が言ってた「こんな何もないところでよく生きられんな! 早く抜け出さないとマジで気ぃ狂うわ!」っていうセリフにすごく共感したんです。金子さんは東京に行きたい! という憧れはありましたか?

金子 東京に行きたいっていう憧れも少しはあったけど、僕は18歳まで北海道を出たことがなくて北海道が好きだったので、いざ来てみると、本当に伊尾と一緒。結構ホームシックになって、よく北海道に帰りたくなっていました。

初めて東京で迎えた朝はどんな感じでしたか?

甲斐 深いぞ、なんか(笑)

金子 右目から涙がつーっと落ちてきて、それで、米を炊いて、泣きながら納豆ごはんを食べた。…あれ!? ダメ? これ!(笑)

甲斐 えっ作り話!? 結構信じたよ(笑)

金子 もう5,6年前のことだから覚えてないな…(笑)意外とあっさりしてたかもしれない。

逆に甲斐さんは東京ご出身だったら田舎に憧れるという気持ちはありますか?

甲斐 あります。外の世界を見てみたいという意味では、海外にも憧れるし。よくみんなが言う「年末年始実家の故郷に帰る」みたいな感覚は僕にはないので、羨ましいと思いますね。

今回の作品、ふくだ監督をはじめ松本穂香ちゃんなどガッツリ関西人に囲まれた現場はいかがでしたか?

甲斐 伊尾は東京から来てるから標準語だったんですけど、僕は関西弁を喋らなきゃいけなくて、ビクビクしながら喋ってました(笑)。でも周りに関西弁を喋れる人がいてくれたおかげで助けられました。ふくだ監督も演出はずっと関西弁だったので。

金子 みんなすぐ教えてくれるからね。突っ込んでくれるし。

最後に、高校生に映画の見どころやメッセージをお願いします!

甲斐 冒頭におふたりが言ってくださった感想を聞いてすごく嬉しかったです。今リアルに高校生として生きている人たちに、どう響くかっていうのを僕らは楽しみにしていて。ここから先どんな人生になるかわからないけど、こうして実際に何かを考えるきっかけになったり、何かひとつ人生のエッセンスになってもらえたらいいなと思っています。

金子 とにかく今を大切にして、頑張ってください!

金子さん/ヘアメイク:Taro Yoshida、スタイリスト:山田陵太
甲斐さん/ヘアメイク:青山佑綺子(NICOLASHKA)、スタイリスト:山本隆司

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『君が世界のはじまり』PG-12
  • 原作:ふくだももこ
  • 出演:松本穂香、中田青緒、片山友希、金子大地、甲斐翔真、小室ぺい、他
  • 配給:バンダイナムコアーツ

©2020「君が世界のはじまり」製作委員会

7/31(金)全国公開