【よしもとTALK】カベポスター「失敗しても死なんやろってぐらい前向きに捉えられたらいい」

今年7月に開催された「第42回ABCお笑いグランプリ」で準優勝を果たし、さらに注目を集めるカベポスター。幼少の頃からお笑い好きだったおふたりが国公立大学を卒業し、どのように決意して厳しいプロの芸人になったのかお伺いしました!

嬉しいより“悔しい”
「第42回ABCお笑いグランプリ」

「第42回ABCお笑いグランプリ」準優勝おめでとうございます!

浜田 ch FILESで2年前にインタビューしていただいた時も準優勝やったんです。今回は、優勝したいと思っていたので、正直悔しい方が勝ってました。

永見 僕も全く一緒で「おめでとうございます」って言ってくれましたけど、全く嬉しくないです。

浜田 いや、そこは受け入れたらいいやろ(笑)

永見 悔しいっていう気持ちが…。

浜田 確かに「おめでとう」じゃないとは思ってます。でも皆さんの気持ちは本当に嬉しいです。

これからも応援してます!

永見・浜田 あと2年あるんで、頑張ります!

おふたりは小さい頃からお笑いがお好きでしたか?

浜田 僕は大阪出身で、新喜劇をずっと見てました。10歳ぐらいまでおばあちゃん家に住んでいたんですが、おばあちゃんがやすきよさん(横山やすし・西川きよし)のDVDを観ていたんで、ちっちゃい頃から昔からの漫才を見ていたし、お笑いはずっと大好きでした。

永見 僕は小3まで奈良県の生駒市に住んでいて、小4から三重県の名張市に住み始めました。名張市は関西と東海、両方のテレビ番組が映って、バラエティー番組で東京寄りのお笑いも見られたので、よりお笑いが好きになったという感じです。

劇場に遊びに行かれたことはありましたか?

浜田 新喜劇は好きやったけど、NGK(なんばグランド花月)に行ったことはなかったです。

永見 お笑いのDVDを買って観てはいたんですけど、生で観たことはなかったですね。中学の時にサンタさんから(さまぁ〜ずの)バカルデイ時代のコントを集めたDVDボックスをもらいました。靴下にはねじ込まれてなかったですけど(一同笑)

自分が好きで楽しく生きられる
仕事をしたいと思った

前回の取材で、浜田さんは自動車会社に就職した後、やっぱりお笑いがやりたくて芸人になったとのことでしたが、迷いはなかったですか?

浜田 NSCって願書の期限があるんですけど、ギリギリまで迷いました。でも、人生長いんで、自分が好きで楽しく生きられるような仕事をしたいなと思ったんです。昔からずっとお笑いが好きだったし、お客さんに笑ってもらえる芸人という仕事が一番楽しいんじゃないかなって。

その時に、背中を押してくださった方はいましたか?

浜田 正直、お笑い芸人を目指すことが恥ずかしくて、親しい人にも親にも言わずに自分で勝手に決めて願書を出しました。唯一背中を押してくれたとしたら、SUPER BUTTER DOGの『サヨナラCOLOR』って曲です。

永見 『サヨナラCOLOR』はお前の背中を押したって知ってる?

浜田 知らんやろ(笑)。でも、みんなを元気づけている曲ではある。

歌詞に背中を押されたということですか?

浜田 そうですね。みんなそれぞれ違う道に進むけれど、頑張っていこうって背中を押してくれる曲です。

永見さんは芸人になることに迷いはなかったですか?

永見 高校を卒業する前にNSCに行くか迷ったんですが、無理かなと思ったので大学に進みました。でも、大学在学中に頑張ったら芸人をやっていけそうだと思ったので、そこからは迷いはなかったですね。

失敗しても死なんやろってくらい
やりたいことを前向きに思いっきりやればいい

好きなことを仕事にするのは幸せだろうなと思うのですが、安定を得られないことに不安もあって…。おふたりがお笑いを趣味でなく仕事にしたのはなぜですか?

浜田 難しいですけど、僕はサラリーマンをリタイアしてエリートコースからも外れたので、お笑いやって失敗しても一緒かなという気持ちがあったからかもしれません。大学を出て一発目から芸人っていうのは、僕はできなかったと思っています。

そこまで振り切るにはどうしたらいいですか?

浜田 もうミスっても失敗しても死なんやろ、ってぐらい前向きに捉えられたらいいんじゃないかな。やりたいことを思いっきりやった方が別の仕事をするにしてもスッキリできますし、そこで得ることはいっぱいあるから。でも、親や周りの人の意見も聞いてデメリットも理解した上で取り組んだ方がいいんじゃないかとは思います。

永見さんはいかがですか?

永見 高校も大学も情報工学科というパソコン系の学科だったんですが、パソコンに向かうのはもう耐えられへんって思ったんです。でも、ずっと好きなものは続けられるし、裏切られへんやろうって。めっちゃ嫌な例を言いますけど…。

浜田 その例でいく?(笑)

永見 例えばモデルに憧れて事務所に入ってファッションやポージングに興味があるのに、裏で社長さんにいい顔をしないといけなくなると仕事が嫌になってくると思うんですよ。でも僕はお笑いがめっちゃ好きやから、もしそういう状況になったとしてもたぶん全無視できるって気持ちがあったんです。そのぐらいお笑いが好きだと思ったんで、お笑いに進んでますね。

進学や就活の選択で悩む高校生にアドバイスをお願いします!

浜田 やりたいことをやるのもいいと思うんですけど、周りの意見を聞くことはすごく大事だと思います。家族も仲のいい友だちも絶対味方なので、デメリットをしっかり聞いてから自分がどうしたいか決めたらいいんじゃないかと思います。失敗した時に自分のせいにできたら立ち直れるんですけど、周りのせいにしちゃうとずっとそれを引きずって生きないといけないんで。自分で決めるけど、ちゃんと周りから情報を集めて欲しいです。

永見 もし、周りの人からその選択はダメって言われても、ほんまに好きやったらそれでもやりたいんだって気持ちで行ける。それでへこたれるんやったら、行かん方がいいと思います。

カベポスターが考えるプロ芸人の自覚―アマチュアとの違いとは?

浜田

自分たちがプロって言えるかっていうところがあるので、この質問はめちゃめちゃ難しいです。最近は劇場さんが声を掛けてくれてライブに出ることが増えてきたので、ちゃんとお客さんに笑ってもらってライブを盛り上げたいっていう責任感が生まれてきました。それがプロフェッショナルとアマの違いかっていうとわからないですが、そういう気持ちはあります。
アマチュアで漫才とかコントやってる人たちがあんまり好きじゃないんです。もしネタが面白くなくてもプロじゃないからって簡単に逃げられる場所があってプライドを保てられるのがアマだと思うんです。中途半端な人は、こっちに来て欲しくないですね。

永見

読者プレゼント

カベポスター

永見大吾(ながみだいご)
’89年12月19日生まれ 三重県名張市出身 
NSC大阪36期生

浜田順平(はまだじゅんぺい)
’87年4月28日生まれ 大阪府大阪市出身 
NSC大阪36期生

2014年5月コンビ結成