映画『約束のネバーランド』ノーマン役・板垣李光人│「“生と死”が身近な今、きっと力をもらえる」

コミックス全20巻までの全世界での累計発行部数が2,500万部を超えた『約束のネバーランド』がついに実写映画化。幸せに満ち溢れた楽園のような孤児院・グレイス=フィールドハウスの真実を知り、子どもたちは無謀ともいえる脱獄計画を進めていくが―。理性的で心優しいみんなのリーダー格ノーマンを演じた板垣李光人さんにインタビュー!

カメラが回っていなくても役柄通り!?
撮影現場の様子とは?

アニメや漫画の原作から登場人物がそのままスクリーンに出てきたみたいですごく驚きました。撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

板垣 映画の中のグレイス=フィールドハウス(孤児院)にいる子どもたちのように、肌の色や性別、年齢がみんなバラバラで、元気な子どもたちが多かったです。カメラが回っていないところでも小さい子たちがずっと走り回っていて、浜辺さんや北川さんが、エマやイザベラのようにみんなをまとめてくださっていました。原作そのままの感じがずっと続いていて、約ネバの世界観がすごくでき上がっていました。

北川さんが演じられた子どもたちのママ、イザベラはとても怖かったです。

板垣 子どもたちがいるところでは常にイザベラという感じで、スタッフさんが子どもたちに怒っても全然言うことを聞かないんですけど、北川さんが注意すると一声でシーンとなっていました(一同笑)。でも、僕や浜辺さんとか大人だけのシーンでは、ほんとに可愛らしい方でした。

板垣さんはノーマンを演じられていかがでしたか?

板垣 ノーマンってすごく優しくて、怒ることがないと思うんです。何かあっても子どもたちに対して怒るというより諭す感じだと思うので、撮影現場ではノーマンらしさを意識するよう気を付けていました。ノーマンは優しさから行動に移すことが多いと思うので、そこは重きに置いて演じるようにしました。

実写化に際して気を付けたことや、工夫されたことはありますか?

板垣 『約束のネバーランド』を邦画で実写化すること自体、ハードルがすごく高いですよね。例えばヴィジュアルの面の違和感で約ネバの持つメッセージ性を阻害されることがあってはならないとは思っていました。脚本が原作に沿っていて漫画の台詞そのままのシーンもあったので、台本に漫画のシーンをコピーして貼って、手の動きやコマの雰囲気を確認できるようにしつつ、とにかく自分の色を消す作業を丁寧にやりました。

ノーマンの声や話し方がすごく優しかったです。意識されたことはありましたか?

板垣 アニメでノーマンの声優をされている内田真礼さんのお芝居をたくさん観せていただきました。ノーマンは常にエマを安心させられる存在でないといけないので、映画を観てもらう人にも安心できるような喋り方のスピードだったり、声色だったりっていうところは意識しました。

板垣さんが高校生だとしたら、誰とこの映画を観に行きますか?

板垣 うーん…誰とかなぁ。映画のテーマに母親と子との関係もありますし、親と行くかもしれないです。友だちと行ってももちろん楽しめるし、感じることもあると思いますが。

今回、北川さん演じるイザベラが非常に怖いお母さんでしたが、板垣さんのお母様はどんな方ですか?

板垣 すごい天然っていうか、抜けてるんですよね。

お母様とお仕事のお話はされますか?

板垣 仕事上の話はあまりしないんですけれど、一緒に服を買いに行ったりとかはしますね。

映画の中で特に注目して欲しいポイントはありますか?

板垣 キャスト、スタッフ全員が、約ネバを邦画で表現して、違和感なく可能な限り原作に近づけていくっていう共通の意識があったので、セットの一つひとつにも美術さんの約ネバ愛が込められています。寝室だったり、図書室やキッチンだったり、細部に注目してもらえると原作ファンの方も、映画で初めて約ネバを観る方もワクワクすると思います。

冷静で成績優秀なノーマン
板垣さんの学生時代とは?

ノーマンは頭の切れるキャラクターですが、学生時代の板垣さんはどうでしたか?

板垣 勉強は好きじゃなかったですね(笑)

学生時代の休日はどんな風に過ごされていましたか?

板垣 今とあまり変わってないんですけど、基本インドアで、絵を描いて過ごしていました。

インスタにご自身が描かれた絵をアップされていますが、ファッションやメイクをモチーフにした作品が多い印象を受けました。絵を描く時にテーマは決めていますか?

板垣 ぼんやりとした雰囲気を決めて描きながら足していくので、完成するまですごく時間がかかるんですよね。最初にテーマが決まっていれば早いと思うんですけど、1枚描くのに長いと3日くらいかかります。1時間絵を描いて携帯を見て、1時間描いて携帯見て、みたいな感じでダラダラしながら描いているので長くなってしまうんですけど。お芝居やファッションやメイクと同じで、自己表現のひとつというか、自分の中に沸いたものを何かしらの形で出さないと気が済まないので。

インスタには、板垣さんはご自身でされたメイクもアップされています。メイクはいつ頃から始められましたか?

板垣 舞台でメイクをしてもらったのがきっかけで、インスタに最近投稿しているアートメイクっぽいものは1年くらい前からです。ファッション誌のお仕事でそういうメイクをしてもらうことが多くなって、自己表現としてメイクもできるかなと思って始めました。

高校生で初めてメイクをするなら何から始めれば良いですか?

板垣 高校生は校則があるので、肌と眉毛はメイクっぽくなり過ぎず印象がすごく変わるので、その辺りから始めるのがいいと思います。

遠くに感じていた“死”が身近な今
約ネバは力をもらえる作品

今後挑戦してみたい役柄を教えてください。

板垣 殺し屋とか(笑)。経験できないことですから(一同笑)

殺し屋以外には何かありますか?

実写化の作品は今後も挑戦したいです。

板垣さんの今後の目標を教えてください。

板垣 香取慎吾さんのように歌にダンスにお芝居でも活躍されて、さらにファッションブランドを手掛けられていて、どれもひとつの技として身につけてらして尊敬しています。自分も同じようにファッション、メイクなど磨いていきたいです。

香取さん以外に尊敬されている方はいますか?

板垣 安藤政信さんも俳優をされながら写真家としても活躍されていて尊敬しています。また、香川照之さんや田中裕子さんのようにパッと映っただけで画面の中の空気も雰囲気もその人の物になるのは目指すところです。

最後に、読者の高校生に一言お願いします。

板垣 高校生はいろいろなものに多感になる時期で、今(コロナ禍の)こういった状況で、遠くに感じていた“死”が少し見えている中で、『約束のネバーランド』のテーマが“生と死”であり、死や恐怖に抗っていくエマたちから力をもらえるんじゃないかと思います。


読者プレゼント

『約束のネバーランド』
  • 監督:平川雄一朗
  • 原作:「約束のネバーランド」白井カイウ、出水ぽすか(集英社 ジャンプ コミックス刊)
  • 出演:浜辺美波、城桧吏、板垣李光人、渡辺直美、北川景子、他
  • 配給:東宝

©白井カイウ・出水ぽすか/集英社 ©2020 映画「約束のネバーランド」製作委員会

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