東海テレビ国際基金 多文化交流プログラムpresents「伝える、伝わるってなんだろう?」

ワークショップ②
言葉を使わずに伝えてみよう!

例えば使用言語が違う人や音が聞こえない人に“伝える”ためには言葉や声ではなく、ジェスチャで伝える必要があります。そこで、ジェスチャーゲームにチャレンジしてみました。皆さんも何を表現しているのか、自分ならどんなふうに表現するか、一緒に考えてみてください!

1問目

答えは



花火!

どの動きで答えがわかった?

パキスタンでは地面に置く噴出し花火が一般的。同じくパキスタン出身の子が噴出し花火に火をつける動作をしていたのでピンときました。
最初は手の動きで龍かなと思ったけど、一番上でぱかーんと開いていたので花火だとわかりました。

表現するためにどんな工夫をした?

普段どうやって花火をしているかを想像して、それを再現しました。
手ぬぐいを派手に投げることで、打ち上げ花火のスケール感を表現しました。

2問目

答えは



かき氷!

どの動きで答えがわかった?

ハンドルを回す動作や、頭を押さえる仕草の組み合わせでかき氷だとわかりました。
ふわふわとした形を表す動作でかき氷だと確信しました。

表現するためにどんな工夫をした?

みんなに伝わる特徴は何なのかを考えて、甘さは無理だけど、冷たさなら伝えられるかなと思って頭が痛くなる仕草をしました。
他の人が食べるときのジェスチャーをしていたので、作る工程を表現しました。伝わったみたいで良かったです。

同じお題でも、どの特徴をどんな風に伝えるかが人によって違って面白いですね!


ワークショプ③
文化の違いによる伝わり方の違い

ここまでは伝えるための工夫について考えてきましたが、そもそも、文化の違いで伝わり方にどんな違いがあるのでしょうか?今回は「物や音からイメージする季節」をテーマに伝わること・伝わらないことを分類してみました。

〜物〜

○花火
日本:やっぱり夏祭りで打ち上げ花火が上がったり、海辺で手持ち花火をしたり夏のイメージが強いです。華やかなイメージもある一方で、すぐ消えるので儚さや切なさというイメージもあります。
フィリピン:夏よりも冬を想像します。新年のお祝いで打ち上げ花火を上げるので。
ネパール:ティハールという収穫祭、11月のイメージです。
パキスタン:結婚式などでお祝いのときに使うので、特定の季節のイメージはないですが、とにかくハッピーなイメージです。
⇒文化によって想像する季節もイメージも全く違う!

○かき氷・アイス
全員:かき氷は夏!暑い日に食べたくなります。
パキスタン:でも同じく冷たいアイスクリームはもちろん夏にも食べますが。冬でも好まれています。
日本:たしかに日本でも雪見だいふくとか冬季限定のアイスもありますね!
⇒かき氷は世界共通で夏の食べ物。アイスクリームは文化によっては冬に食べる国も。

○すいか・マンゴー
日本:スイカかな。
パキスタン:夏をイメージするフルーツと言えばマンゴー!品種によって少しずつ季節感が違います。スイカも夏を感じますね。
⇒暑い季節に採れるフルーツなので全員が夏をイメージ。

○ドライフルーツ・ナッツ
パキスタン:日本では一年中食べるけれど、パキスタンでは冬にテレビやスマホから離れて家族と談笑しながら食べるものです。
ネパール・ペルー:同じく冬に食べます。
⇒日本以外では冬にしか食べない国が多いようです。

○落ち葉
日本:落ち葉が散っているのをみると秋が来たなと感じます。
ペルー:ペルーはずっと温かいのでそもそも落ち葉がないです。
⇒文化というよりは気候による違いが有りました。

○入道雲
日本:映画やアニメで入道雲が空に浮かんでいると夏のお話だなとすぐに分かります。
ネパール・パキスタン:季節に関係なくそんな雲は見たことがないですね。
⇒これも気候による違いが。日本以外の国ではそもそも入道雲がどんな雲かわからないという人が多かったです。

〜音〜

○「チリンチリン」
日本:風鈴の音だから夏。
アメリカ:クリスマスの鈴の音を想像したので冬ですね。
⇒音から想像するものが文化によって違ったので、季節感にも違いが出ました。

○「ミンミン」
日本:蝉の声なので、夏のイメージ!
フィリピン:フィリピンだと蝉の声は「スースー」と表現するので、「ミンミン」だと何の音かわからないです。
パキスタン:セミよりもカエルの声が夏のイメージです。
⇒動物の鳴き声は文化によって表現の仕方が違い、音だけでは伝わりませんでした。また、生態系の違いによっても季節感を感じる動物に差が。

○「しんしん」
日本:雪が降る音。
フィリピン:そもそも雪が振らないので、日本に来て初めて雪を見ましたが、音で表現するなら「ヒュー、ブオー」かな。
⇒これも文化によって表現が違い、伝わりませんでした。擬音語・擬態語から受けるイメージは言語文化によるものが大きいようです。

○野良犬の鳴き声・朝のお祈りの声
パキスタン:野良犬の声がよく響いてくるようになると、空気の乾燥した冬を感じます。また、イスラム教では一日5回お祈りをするのですが、まだ暗いうちに朝のお祈りの声が聞こえてくると冬だなと思います。
⇒日本も含め、野良犬が少ない国やイスラム教徒が少ない国の人はいまいちピンとこない様子。


〜まとめ〜
文化の違いに左右されず、同じ季節をイメージするものは自然物が多いですが、気候の違いによって差が出るものもありました。一方、花火やアイスクリームなどの人工物は文化によってイメージする季節が違う傾向にあるようです。また音は文化による違いが大きく、今回はイメージが共通する音は見つけられませんでした。





最後につる子さんにコメントをいただきました!

落語は音だけでなく、表情や動きでの表現もたくさんあります。聴いている人が自由に想像できるので、世界共通で楽しむことができるんじゃないかと、みなさんの前で演じてみて、感じることができました。ジェスチャーゲームでも落語のテクニックを活かしてくれていて嬉しかったです!


「伝える、伝わる」について考えることで、たくさんの気づきがありました!

日本の伝統文化を通じて様々な表現の仕方を体感するとともに、いろんな国の人と交流することができてとても有意義な時間でした。

文化の違いで通じないこともあるけれど、同じ落語の同じ場所で一緒に笑えたので、伝え方を工夫することでより多くのことを伝えられるようになると実感することができました。
日本に来てから色々な日本文化に触れましたが、その中でも落語が特に好きになりました!それぞれの文化にはいいところがたくさんあるので、お互いにいいところを取り入れ合うことができれば、より良くなっていくと思います。

落語には難しそうというイメージがありましたが、想像以上にわかりやすく、とても楽しかったので、また観たいです。
落語もジェスチャーゲームも楽しかったし、たくさん友だちができました!

文化が違うとどんなことが伝わらないのか、伝えるためにはどんな工夫ができるのかを学べたので、これからのコミュニケーションに活かしていきたいです。

感想を書いた紙は愛知県立名古屋聾学校インテリア科のみなさんが作ってくれた扇形のボードに掲示。

なんとこの木でできたつる子さんの似顔絵も手作りだそう!


本イベントの様子はBMKの中原聡太さんにレポートもしていただきました!レポート動画もぜひご覧ください。

噺家:林家つる子
司会:東海テレビ CSR推進部 臼井ゆり


林家つる子
古典落語の滑稽噺から人情噺、現代を舞台にした自作の新作落語にも取り組む人気落語家。古典落語の名作「子別れ」「芝浜」「紺屋高尾」の登場人物であるおかみさんや遊女を主人公にして、女性側の視点から落語を描く挑戦は多くのメディアでも取り上げられ大きな話題となっている。令和6年春に真打昇進決定。

東海テレビ CSR推進部 臼井ゆり
落語の魅力や歴史を、初心者や若者にも楽しめる多様な切り口で届ける『なごや万華鏡落語』シリーズを事業部所属時に企画制作。その他、地域の人と、文化、歴史を繋ぐオリジナルの演劇舞台や
イベントのプロデュースを数多く手がけた。

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