M-1グランプリを卒業したコンビ結成16年以上のプロのみという厳しい出場資格の「THE SECOND~漫才トーナメント〜」(以下ザセカンド)で、今年グランプリファイナル進出を果たした吉田たち。好成績を残したザセカンドの嬉しい余波を受けて心機一転、髪をゴールドにキメたゆうへいさんとこうへいさんに、東名阪単独ツアー「たち噺」やザセカンドへの思い、おふたりのネタのルールなどをお話しいただきました。
もっと大きくしていきたい
ゆうへいさんとこうへいさんの髪色、とてもお似合いです! ゴールドとシルバーですか?
ゆうへい 同じようになってるようでなってないみたいな。双子なんですけど、色の抜け方が違ったみたいで。
こうへい 美容師さんの手でも無理だったみたいです。
ゆうへい 同じ色で要求し、作業もまったく一緒やったんですけど僕の方が色抜けしやすかったみたいです。僕らもまだ新しい発見あるんやって思いました。
イメチェンされたのが単独ツアーの東京公演のタイミングでしたが。
こうへい 前からやりたかったからやっただけで、特に意味はなくて。僕らの漫才は見分けがついてしまったら成立せえへんネタが結構多いので、僕がこいつの分のお金を払って染めてもらいました。
ゆうへい 僕は子どもいてるんで、保育園の送り迎えとかは嫌ですね。帽子被ってますけど(笑)
芸人仲間の皆さんの反応はいかがでしたか?
こうへい いや、思ってたより好評ですね。
ゆうへい 「黒の時どんなんやったっけ?」とか、割と評判いいかなって思います。
ファンの方の反響は?
こうへい 芸人の反応とあんま変わらず概ね好評ですね。黒が良かったという声はまだ届いてないです。
ご自身では今の色と黒髪どちらがお好きですか?
こうへい 僕は今の方が断然いいです。街とか歩いてて、ガラスとかに反射して自分が映ると立ち止まりますね(笑)
ゆうへい へー、「うえーぃ」ってなるんや。でも確かにいいですね。こうへいは20歳前半ぐらいの時に金髪みたいにしてた時があったんですけど、僕はほんまに初めてなので新鮮です。
東名阪単独ツアー「たち噺」は名古屋、東京が終わりましたが、会場の雰囲気はいかがでしたか?
こうへい そうですね、なんかお客さんと一体になれた感じはしましたね。この一体感をもっと大きくしていきたいなと思いました。
どのように大きくしていきたいですか?
こうへい 漫才番組に出て繋がっていけたらというのと、いつか呼ばれた時のためにしっかり準備をしておかないとなって感じです。特に年末にやっている「THE MANZAI」は超一流の人しか出てないんで、そこに割り込みたいですね。
落語家を噺家といいますが、ツアータイトルを「たち噺」にされたのはなぜでしょうか?
こうへい いい質問やなぁ。10年くらい前からこのタイトルで何回かやってるんですけど、僕の中では3つぐらい意味が掛かっていて。漫才って立って話すし、吉田たちの「たち」もかかってるし。それにごんべんの「話」にしてしまうとトークライブ感が出てしまうかなっていうので軽い感じを出したくて。一番気に入っているタイトルなので、タイトルに困ったら「たち噺」にしてますね。
配信がないのは、ゆうへいさんが出囃子でザ・ピーナッツの『恋のフーガ』を流したいというところからだとお聞きしました。
ゆうへい 僕がというか、共通のというか。配信入れちゃうとフリー音源しか使えないんです。それでテンションが上がらないわけじゃないですけど。
こうへい 上がりはしないな。
ゆうへい お客さんも出囃子を聞きたいと思ってると思うんで。配信は便利ですけど、お客さんにお金払って来ていただいて、生の舞台を楽しんでもらうっていうのが好きなんですよ。
今回のライブもしゃべくりの90分の単独ですが、ライブへの思いを聞かせてください。
ゆうへい 面白いふたりが面白いと思ってることをライブの中に詰め込むっていうところですかね。去年より今年は自分らの面白いと思ってることが濃いかなと思います。皆さん笑ってくださいというよりは、今年は「口に合うかわからんけど、どうぞ」っていう感じです。
こうへい 僕は今年のザセカンドの決勝が来年もあることを見越して優勝できるようにと思ってこのツアーをやっております。
ゆうへい そこそこのキャリアをやって来て、シンプルにシンプルになって来ましたね。
こうへい この単独をNGKで、誕生日の11月13日にするというのを風物詩にしたいっていうのはあって。たぶん日にちを決めて毎年NGKで単独やってるのって桂文珍師匠だけやと思うんですよね。めちゃくちゃおこがましいけど、そんな風になればなって感じです。
自分たちのルールは崩さない
先日の『THE SECOND』ではグランプリファイナルに行かれました。M-1と『THE SECOND』の違いは何だと思われますか?
こうへい でも、僕らはM-1を知らないんで。知らないっていうか、結果が伴わなかったので舞台がどうだとかはわからないですけど、『THE SECOND』の方が大好きですね。
ゆうへい 『THE SECOND』はネタ時間が6分もあって、16年以上活動し続けないと出られないという難しいルールなんで、ベテランの技というか。M-1は変な武器出すけど、『THE SECOND』は日本刀一本で、みたいなイメージはありますね。
予選の空気感も違ったりしますか?
ゆうへい そらやっぱり『THE SECOND』の方が楽屋とかの余裕はありますよ。M-1はやっぱりピリピリしてるなって感じしますね。
その余裕が戦いにも反映されましたか?
こうへい そうですね。ただ準備はしっかりして来たつもりなので、それが余裕を生んでくれたのかなと勝手に思ってますけどね。僕らは漫才の中での「これはせえへん」っていうルールが結構多いと思うんで、途中から「M-1は無理かな」ってちょっと思ってました。
そのルールをお聞きしてもいいですか?
こうへい 僕らは笑いのことや他の固有名称を出すとかはあまりせずにやってます。“僕らも行けたかも”って思った年もありましたけど、固有名詞バンバン出す人らが決勝行ったりするんで、M-1の審査の基準的にも俺らは無理かもなというのはありました。
そこに合わせて行こうとはならなかったですか?
ゆうへい ならなかったです。
こうへい ほんまはその上でねじ伏せないとダメなんですけどそれができなかったんで、あんま僕らがM-1のことについてはしゃべらん方がええなって思います。
そういう意味でも、『THE SECOND』のグランプリファイナル進出は嬉しいものだったのでしょうか。
こうへい やっと全国ネットで漫才を観てもらえるっていう嬉しさはめちゃくちゃありましたね。反響も今までの芸人人生の中で一番大きかったと思います。ツアーをしていても、「ザセカンド観て来ました」っていう人も何人かいたんで、よかったなと思いました。
『THE SECOND』、目指すは優勝ですね。
ゆうへい 優勝しか見てないですね。
おふたりにとっての漫才って何ですか?
こうへい なんなんでしょうね。でも、なんか挑戦しながら、作り続けるものやと思いますね。ザセカンドでご一緒させてもらったザ・ぼんち師匠のようにあのお年で挑戦し続けてるというのは理想に近いです。僕、まさと師匠にお世話になってて、飲みに連れてってもらったりするんですけど、めちゃくちゃ元気でバイタリティに溢れていて、あんなじじいになりたいと思いますね。
ゆうへい ま、やり続けんと無理やろな。
ところで、YouTube「吉田たちチャンネル」にネタを投稿されるスピードが早くて驚いています。中には16分といったネタもありますが、長いネタをされる理由はありますか?
こうへい せっかくネタを作ったので捨てるぐらいならYouTubeに流してしまおうという考えで。
ゆうへい 吉田たちはYouTubeを始めたのが芸人の中で最速ちゃうかって言われていて。とりあえず「日本で一番漫才の動画上げてるコンビ」みたいなところを目指したいなと思ってます。
こうへい 毎日はさすがに厳しいですけど、週一では上げようかなと。
最後に、今年はおふたりにとってどんな年になりましたか?
ゆうへい ひとつは『THE SECOND』の決勝に行けたというのはよかったですけど、それが何年かして、あれが足掛かりに良くなっていったという風に自分たちで思えるような年にしたいかなという感じですね。
こうへい 『THE SECOND』の決勝もそうですけど、僕個人ではABEMAの「恋愛・リアリティーショー」に出させてもらったりとか…。
ゆうへい 38歳の年老いた人がひとりだけ出てたな~(笑)
こうへい あとはずっと出させてもらいたいと思っていた小籔さん主催のコヤブソニックもたぶん『THE SECOND』きっかけで呼んでいただいたりして。最近観たYouTubeによれば、僕らさそり座なんですけど、さそり座は8年8ヵ月間の苦しい期間を9月24日からやっと抜け出せたみたいで。僕は占いはいいことだけ信じているので、下半期ガンガン行くやろうなって感じです。
ゆうへい そんな耐え忍んでたんやったら、これから上がっていってもらわな困るな。ふたりともさそり座やから!(一同笑)
こうへい いやそうよ。吉本にはお手本がほんまにいっぱいおるので、いろんなことに挑戦していきたいですね。
こうへい
1987年11月13日生まれ
大阪府堺市出身
NSC大阪校29期生
ゆうへい
1987年11月13日生まれ
大阪府堺市出身
NSC大阪校29期生
<吉田たち東名阪ツアー「たち噺」大阪公演>
11/13 (木) 大阪・なんばグランド花月