経験ゼロからプロを目指せる! ボートレーサーのお仕事について教えてください。

皆さんは、将来就きたい職業はありますか?かっこよくて、やりがいもあって、年収も高い。そんな職業に就きたいと考えている高校生にぴったりの職業・ボートレーサー。応募資格さえ満たしていれば、ボートに乗ったことがない高校生でも今すぐに目指すことができる、ボートレーサーのお仕事について、現役レーサーさんにお話をお聞きしました!


ボートレースってどんな競技?


6艇のボートが600mのコースを3周して着順を競うモータースポーツ。そのスピード、スリル、熱気はまさに水上の格闘技。各ボートレース場がある地方自治体が主催していて、収益金は学校や病院などの公共施設の建設、道路整備、再開発事業など、社会のために活用されています。

初めてボートレースという競技を生で見て、あまりの迫力に圧倒されました!とにかく見ていて楽しいと思えるし、ターンの技術や位置取りなどの戦略も重要で、とても奥深い競技だと感じました!

レース時に乗るボートはレーサーさん自身が整備を行います。特に重要なのはプロペラの整備。直径約20cmほどの小さなプロペラですが、その調子によって、レースの勝敗を左右することもあるんだそうです。

自分でボートを整備して、レースに挑む。エンジニアとアスリートを兼任していて、とてもかっこいい!

今回見学したのは「ボートレースとこなめ」。2021年にオープンした新スタンドはとても明るくきれいで、まるでインテリアショップのショールームみたい。子どもたちが遊べるキッズパーク「Mooovi」や地域の人たちが交流できる拠点「Gruun」も併設されています。

とても明るくきれいな施設で、ボートレース初心者や親子連れでも安心して行ける場所でした!


ボートレーサーさんにお話を伺いました!

お話を伺ったのはこちらの3選手!



北野輝季選手
生年月日:1989年2月28日(36歳)
ランク:A1
―生涯獲得賞金380,658,139円―




石田勇人選手
生年月日:2000年7月11日(25歳)
ランク:B1




中村紋夕梨選手
生年月日:2003年7月19日(22歳)
ランク:B2

ボートレーサーは
毎日「仕事に行きたい!」と思える仕事

なぜボートレーサーになろうと思ったのでしょうか?

北野 家がボートレース場に近くて、小学生のころからよくレースを見ていたので、ボートが走る音やエンジンの匂いに憧れて、自然にボートレーサーになりたいと思うようになっていました。

石田 僕は高校を卒業して、自動車部品の工場に就職したんです。そこで一緒に働いていた人に「体格的にボートレーサーになれるよ」と言われて、だったら目指してみようかなと。その言葉がなければきっとまだ工場で働いていたと思います。

中村 保育園のころから空手を習っていて、体を動かすことと勝負事が好きだったこと、そして両親に勧められたこともあり、チャレンジしてみようと思ったんです。

ボートレーサーのお仕事の魅力はどこにありますか?

北野 勝負の世界なので、プレッシャーや悔しさを感じることも多いですが、それを乗り越えて1着になったときの喜びは大きく、とてもやりがいがあります。

石田 レースの結果で一喜一憂したり、毎日が刺激的なところです。周りの人から応援してもらえるし、「仕事に行きたい!」と思える仕事ですよ。

中村 男女関係なく同じ土俵で戦えることも私にとっては魅力です。もちろん男女で筋力の差はありますし、一般的には男子のほうが強いと思われがちですが、そんな中で女子選手が勝つってかっこいいじゃないですか。

北野 自分の努力がダイレクトに結果に繋がるのもこの仕事の魅力ですね。「勝てば勝つほど周りからの評価も賞金額も高くなります。僕の場合は昨年の獲得賞金は約3500万円でした。

中村 私はデビューして1年半くらいですが、500万円以上は獲得したので、同年代の平均と比べるとは収入は多いです。

北野 僕と他の2人は一回り以上年齢が離れていますが、同じレースに出たり、情報交換したりできるのもボートレーサーならではですね。みんなで一緒にグアム旅行に行ったこともあります。

石田 あとはまとまったお休みがあること。ボートレースは1節が3〜6日間なので、その期間中は毎日レースに出て、その後5日間程度の休みがあるというサイクルになります。

ボートレーサーになるためにはどうすればよいのでしょうか?

石田 ボートレーサーの養成所に入所するための試験を受けます。合格して養成所に入所すると教練という、気をつけや回れ右などの動作の練習から始まり、ボートやエンジンについての知識を学びます。その後、実際にボートに乗る練習が始まります。

北野 入所してからも試験があり、そこで脱落してしまう人もいるので、ライバル同士ではありますが、訓練を一緒に乗り越えるので、だんだん仲間意識も強くなっていきます。1年間養成所で学び、国家試験に合格すると、ボートレーサーとしてデビューすることができます。

養成所に入所するには、学科試験や体力試験などに合格する必要があるんだそう。私たちも一部体験してみましたが、学科試験は高校入試程度の内容なので、ちゃんと普段から勉強していれば大丈夫そうです!

ボートレーサーに向いているのはどんな人ですか。

北野 元バイクレーサーや野球選手が転向してくることもありますが、その人が上手くボートを操作できるかというと、必ずしもそうではなく。ボートってちょっと特別な乗り物なんです。だから運動神経の良さよりも、状況に応じて適切に対応できる柔軟性が大切だと僕は思います。動体視力も重要かな。

石田 怖いもの知らずのほうが、レーサーとして早く成長できますね。

中村 あと、負けず嫌いな人ですね!

普段、トレーニングなどはされていますか?

北野 僕はなにもしてなくて(笑)。本当はやらないといけないんでしょうけど、なかなか…。マッサージや整体に行って体のケアはしています。

中村 私は週2でジムに通っています。体幹だけでなく足腰や腹筋も重要なので鍛えています。怪我をしないように柔軟は毎日しています。

石田 僕はYouTubeを見ながらダイエットエクササイズを(笑)

勝つためには体重管理も重要だそうですね。

北野 軽いほうが有利なので、出場期間中はお米を減らして、サラダや納豆を中心にするなど減量をしています。宿舎にはサウナがあるので、サウナで水分を抜いたりもしています。

石田 水を飲む量も計算しますよね。

中村 私は逆に増量しています。規定の体重に満たない選手は重りを付けて調整しないといけないのですが、それを付けたくないので。なるべくたくさん食べるようにしています。

宿舎内のサウナは水風呂もあって本格的!トレーニング用のジムも用意されています。寝室は個室になっていて、プライベートな時間も取ることができ、広い食堂には本を読みながら休憩できるスペースなどもあって、とても快適に過ごせそうな宿舎でした。


ボートレーサーは自信を持って
他人にも勧められる職業

初めてボートに乗ったときの感想は覚えていますか?

北野 「ボートってこんなに跳ねるんだ」と驚きました。水面って想像以上に硬いんです。

石田 入所してから初めてひとりボートに乗るときは、通常の半分しかスピードが出ないボートに乗るのですが、それでもその速さに正直「無理かも…」と思いました。でも練習を続けるうちに恐怖心はなくなりました。

中村 私もスピードと跳ねる感覚が衝撃的でパニックになりました(笑)

北野 車なら普段から助手席に乗る機会があるので、ある程度どんな動きをするか、初めての運転でもイメージできると思いますが、ボートはどんな動きをするのか最初は予測ができないんですよね。僕はスピードの速い乗り物が好きなので、そんなところにもワクワクしました。

やはりレース前は緊張されるのでしょうか?

北野 緊張は絶対にしてしまうものなので、緊張していても普段通りに動けることが大切です。いつもと違うことをしてしまうと焦ってしまうので、どちらの足からボートに乗るかなどのルーティンを崩さないようにしています。

石田 レース前はいろいろ考えてしまいますが、実際レースが始まると緊張している余裕はないですね。

中村 私は今のところルーティンはないですが、作りたいなと思っています。かっこいいじゃないですか(笑)。でもまだ作る余裕がなくて。レース直前は手汗が出るほど緊張しています。

北野 まだデビューして1年半だもんね。いろいろ経験していくうちにルーティンが出来上がってくると思いますよ。

レース中はどのようなことを考えていますか?

北野 レースって一瞬の判断が大切なんです。少しでも早くゴールできるように位置取りや風や波の動きにあわせてベストな動きを考えています。

ボートレーサーになってから、一番印象的だった出来事はなんですか?

石田 初めて1号艇での前付け(待機行動でコース取りの攻防の際、外枠の艇が大きく回り込んでほかの艇の前につけ、インコースを取ろうとする戦法)レースで、緊張の中1着を取ったときのことですね。ピットに戻ると北野さんが手をあげてくれていたのが嬉しくて(笑)

北野 そんなことあったっけ?1号艇は有利なんだけど、その分人気が集まるので、プレッシャーがかかるんですよ。

中村 デビュー戦は親や友だちがたくさん見に来てくれているなかだったので、緊張と不安が大きかったですが、レース後にいろんな人たちから連絡が来たのが嬉しくて、頑張って良かったと思いました。

北野 長女の友だちが引っ越しをする前に、僕のレースを見に来てくれたんです。勝利者インタビューのときのその子が目の前にいるのを見つけて感動しました。あと、勝ったレースは全部覚えています。負けたレースは反省だけして忘れるようにしています(笑)

ボートレーサーあるあるを教えてください。

北野 「風を読みがち」です。休みの日でも天気は気になります。

石田 僕は「出遅れ(規定の時間から1秒以内にスタートラインを通過できないこと)をしてしまう夢をよく見る」かな。出遅れをすると一定期間出場停止になってしまうんです。だからめちゃくちゃ焦って起きて、夢だったことに安心します。

中村 曜日感覚がなくなりがちです。休みが必ずしも土日ではないので。

ボートレーサーとしての今後の目標を教えてください。

北野 ボートレーサーは勝率によってクラス分けがされていて、上位クラスでないと出場できないレースもあるんです。中でもSGと呼ばれるグレードが一番高いレースに出場することが、デビュー当時からの目標です。レースを見に来てくださる皆さんを楽しませて夢を与え続けたいという思いもあります。

石田 僕は今B1という上から3番目のクラスなので、上のクラスに昇格することです。北野さんたちと一緒に大きなレースに出場したいです。

中村 まだ1着を取ったことがないので、まずは初めての1着を目標にしています。将来的には女子選手の中で一番の活躍をしたいです。

ボートレースは他の競技と比べ長く現役を続けることができるそうが、いつまで続けたいですか?

北野 勝ちたいという気持ちが続くかぎりは続けたいです。ボートの場合は多少筋力が落ちてもテクニックで勝つことができる競技なので。

石田 体が動くかぎりはやりたいですね。

中村 年齢に制限がないので、できるかぎり頑張りたいです。

ボートレーサーは周りの人にもおすすめできる仕事ですか?
北野・石田・中村 はい!

北野 もしボートレーサーになろうか迷っていると相談されたら「すぐになりなさい!」と言います。他の競技でプロになろうと思うと、生まれ持った体格や学生時代の経験が重要ですが、ボートレースはそういったものがなくても活躍できる可能性があるし、養成所に入るときのスタートラインはみんな同じです。年収面だけでなく、いろんな人との出会いもあって、とても価値のある仕事なので、興味があればぜひチャレンジしてみてほしいです。

特集テーマ
ボートレーサーの「青春ソングはなんですか?」

北野 ORANGE RANGEなどをよく聴いていました。この間若い選手に、僕の青春時代に流行ったD-51というアーティストの話をしたら「誰ですか?」と聞かれて。ジェネレーションギャップにショックを受けました(笑)

石田 高校時代は寮生活だったので携帯禁止、テレビもほぼ観る時間がなくて。当時TWICEの曲が流行っていたので、WALKMANに接続できるスピーカーを持っている友だちが流してくれていました。でもWALKMANって音だけだったからどんな人たちなのか、顔は知らないんですよ(笑)

中村 King & Princeが好きで登下校時にずっと聴いていました。

―ちなみに、最近ハマっているアーティストさんはいますか?
北野 大塚愛はずっと好きですね。

石田 サカナクションです。

中村 私はHANAに…

北野 ほら、こういうところでジェネレーションギャップを感じるんですよ!ケツメイシとか…。出せば出すほどジェネレーションギャップを感じる(笑)


『BOATRACE VRスプラッシュバトル』で選手と対戦!

全国のボートレース場などに導入されているボートレース体験型VRアトラクション『BOATRACE VRスプラッシュバトル』。本物のボートと同じように操縦してレースを体験できるこのアトラクションを、選手とともに体験させていただきました。

ボートはステアリングホイールと呼ばれるハンドルと自動車のアクセルに相当するスロットルレバーで操ります。

勝敗に大きく影響するのがターンのテクニック。選手たちは想像以上にダイナミックに体重移動をしていて、その迫力に圧倒されました!

気になる結果は…
選手が2勝、高校生が1勝でした!さすがプロ。ボートを操る超絶テクは、見惚れてしまう程でした。でも高校生もプロの選手相手になかなか健闘したのでは…?


取材を終えて

これまでボートレースを観戦する機会がなく、ルールも詳しく知りませんでしたが、今回の取材を通して非常に興味が湧きました。自分と同年代の選手がすでにデビューし、第一線で活躍しているなんてすごい!

今回取材させていただいた3名の選手がお互いに仲良くお話されていて、人間関係の良さが感じられました。『BOATRACE VRスプラッシュバトル』がとても楽しかったので、ボートレーサーに興味が出てきた人は一度体験してみて!

間近で見た選手たちのモンキーターンが本当にかっこよかったです!スポーツ経験がなくても目指すことができるプロアスリートなんて、とても夢があっていいなと思いました。

生で見ると速さや音、レース展開などが迫力がありすごく面白かったです。レース場はとてもきれいな施設で、子どもたちが遊べるスペースもあるので、親子連れのお客さんが多いのも印象的でした。

選手の皆さんが、周りの人に勧められる職業だと即答されたのが印象的でした。お話を聞いているとボートレースへの情熱が伝わってきて、もっとたくさんの人にボートレーサーの魅力を知ってほしいと感じました。


第141期 ボートレーサー募集

募集期間:2026年1月4日(日)~3月6日(金)
お問い合わせ:一般財団法人 日本モーターボート競走会

養成費用は無料です! 募集要項はこちらから↓

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