【ハイスクールマンザイ】インディアンス「文化祭感覚でもいいからみんな出たらいい」

「ハイスクールマンザイ」が気になっている高校生に、インディアンスから出場に向けてのアドバイスをいただきました! 結成当初のお話など、貴重なエピソードも飛び出しました!

おふたりの高校時代を
教えてください!

きむ 僕はめちゃくちゃイキってましたね。イキリ全盛期。ピアスも流行っていたので、耳から肩にかかるくらい長く垂れ下がったピアスとかしてましたね。

田渕 聴神経じゃないですよね?

きむ まぁ聴神経みたいなね。髪型はツーブロックとかロン毛やったりもして。あとはサンバイザーを腰に着けたりしてました。これは流行ってたわけじゃないんですけど。

田渕 それか腰日焼けしたくないやね!

きむ めちゃくちゃ高校デビューだったので、最初から頑張って一軍を目指して、2年目くらいからだんだん化けの皮が剥がれてきたんですけど、みんないい子らやったので、受け入れてくれてましたね。今でもみんな仲良いんです。軽音部はすぐに辞めて、応援団みたいな体育祭でみんなでダンスをするグループに入っていたので、上級生たちとも遊んだり、目立つタイプではありました。その頃からお笑いは好きで、「お笑い芸人になる」とは言っていたんですが、でも軽い感じ。合コンレベルの笑いを取っていた感じですね。高校生なら笑う、くらいの。それくらい軽くて薄っぺらい人でもいけるよって話です。

田渕 だけどお前、4年間大学頑張ったんやろ?

きむ やめてや、より薄くなっていくから。俺は湯葉ぐらいで止めたいねん! NSCは友だちと入るといいと聞いたんですけど誰もいなかったのでひとりで入るのにビビって、最初はお笑いの授業をやっているという大学に入って。1年だけ通って、中退してNSCに入りました。

田渕さんはいかがでしたか?

田渕 僕は小中高と今のままですね。ふざけ倒していたので、先生に僕の列が順番に当てられてきていても、僕だけ飛ばされたりしていました。一番最初に漫才をやったのは、高校の文化祭がきっかけやったんです。友だちのシュンちゃんと。会ったことあるやろ?

きむ あぁ、シュンちゃん。めっちゃオモロいやつね。

田渕 シュンちゃんと大阪のbaseよしもとのオーディションを受けに行こうって言ってて、結局前の晩遅くまで遊びすぎて、起きたら昼で行けんかったという思い出があります。

オーディションを受けようと思ったのはどんな気持ちからだったんですか?

田渕 単に自分たちのお笑いってどんなもんなんやろうって、自分らがウケるのかどうか見てみたいという気持ちでした。高校生の時は見よう見まねで漫才やってましたけど、それでも楽しかったですね。でも仲良い友だちの前でやると、みんな心配な目で見てくれるんですよ。「あいつら大丈夫かな」って。だからハイスクールマンザイみたいに、全然知らん人の前で思いきりやるのは絶対いいと思います。

今でも緊張することはありますか?
緊張との向き合い方を
教えてください!

田渕・きむ します、します!

田渕 舞台袖とかヤバいですね、特に。みんな緊張してますよ。緊張していないフリが上手になるだけです! まるで緊張していないみたいな顔だけ上手になってきます。

あ、緊張していないフリはされるんですね。

田渕 劇場に来たお客さんも、あの芸人さん緊張でガチガチやなとなったら、絶対にウケないんですよ。最初の頃ウケなかったのはそれが原因だったんですよね。

きむ お客さんにも緊張が伝わるんでしょうね。

では高校生も、緊張していないフリを…。

田渕 でもいきなりそれは難しいですよね。だからガチガチのまま頑張れ! と思います。間違ってもいいから最後まで! 大人になってからもそんなに緊張することって数えるほどしかないと思うんですよね。だからめちゃくちゃ貴重な経験やと思います。

きむ お客さんにウケるウケない関係なく、自分たちが面白いと思うものを詰め込んでもらえたらいいなと思います。

田渕 変に背伸びして漫才師みたいにやらなあかんと思って、ちゃんと相方の方とお客さんの方を交互に見てみたり、そういうのはあまり考えへん方がいいと思うんです。初めての漫才なんやから、相方とふたりの空間になってもいいから、ふたりでネタ合わせしていた時の空気のままでやって欲しいですね! 本番やからいい格好しようと思っても絶対に失敗すると思うから。練習してきたものを披露する日でいいと思います!

インディアンス、結成当初の
練習方法を伝授!

田渕 僕らは最初、例えばファミレスとか設定だけ決めてふたりで立って、アドリブで自由にしゃべってみるんです。それから、ふたりでノートを広げて考えていきます。そのやり方は今でも変わっていないですね。結成当初は、アドリブでしゃべった音声を録っておいて、ここオモロかったなというところだけ書き起こしていました。もっと昔、録音とか動画を撮ったりする前は、全部きむが書き起こしてくれていました。

きむ この設定でこの感じのテンションでいけば、まぁまぁいいネタになるかもな、とかなりそうじゃないな、というのは慣れでわかるようになるので、その中で、うまくいかなさそうならすぐにやめるし、こういう振りをしたらボケやすいかなというのは覚えていったかなと思います。

練習はどんな場所でされていたんですか?

田渕 お店とかだと、立って練習できないじゃないですか。声もデカいし。だからずっと外でした。公園とか川沿いとか。

きむ 大阪のなんばパークスとかなんばHatchのダンサーも芸人も練習しているような場所でもやっていましたね。

田渕 全然知らん若いダンサーの人たちといっぱい顔見知りになって、「あ、今日もやってんの?」みたいな感じになってました。

きむ 向こうの音楽も大きいから、負けじと勝負みたいになってね。

本番までの練習は、
どんな気持ちで挑めばいいですか?

田渕 練習は、こんなにする必要ないかというくらいめっちゃした方がいいと思います。

きむ 練習しておいたら、いつ出番を言われても自然と体が動くようになるから、緊張とも戦えると思うんです。あの人笑ってないな、とかあの人下向いてるなとかいろいろ考えたら、緊張でネタが飛ぶんですよ。せっかく考えたものを人前でマックスの状態でできなかったらその後悔も残ってしまうと思うので、飽きる以上に練習した方がいいかなと思います。

田渕 練習し過ぎたらネタの鮮度が落ちるからあまりしないという漫才師さんもいっぱいいるけど、みんなにとっては初めての漫才だから、それは絶対にやった方がいいと思います。

おふたりもかなり練習されましたか?

田渕 ヤバいくらい練習してました。いまだに覚えてますけど、初めて賞レースの決勝に出られるとなった時は、壁に向かって何十回も練習して、ふたりで「もう帰ろっか」ってなった時に、お互い「もう1回だけやっとこっか」って練習して、チャリを取りに行く時に「もう1回やろっか」ってやって、チャリにまたがってからも、チャリ停めてやりましたからね。

きむ やっぱり後悔したくないんでね。

田渕 そう。それまでも何十回とやってるんですよ? でも前日におさらいでまた何十回もやって。最後は「声枯れてまうで」ってやめましたけど。

きむ あと、練習も本番と同じ声量でやった方がいいかなと思います。本番でも同じ声が出せるように。

田渕 恥ずかしがらずにね。どちらから喋り出したら必ずネタをやらなあかんという練習もしていました。どのタイミングでも同じテンポでできるかっていう。紳竜 (島田紳助・松本竜介) さんのDVD (『紳竜の研究』) を見て、歩きながらネタ合わせしても普段のテンポでできるかっていうのもやったり。

きむ やったなぁ。歩きながらネタ合わせしたら、普段のテンポが出るから、自分たちのテンポがわかってくるみたいなんです。

田渕 自分たちでできることは全部実践してみたね。漫才師ってみんなあまりやってなさそうで、やってるんですよ。恥ずかしいから練習してるとか言わないし、見せないですけど。やり慣れているネタでも「あれ?」ってなることあるんでね。あと友だちをひとりでもふたりでもいいからお客さんに見立てて見られながら練習した方がいいね。まだきむと組む前に、NSCの養成所の時のコンビではよく公園でネタ合わせしていたんですけど、そこに大きな池があって、カメがいっぱいいたんです。僕らが池に向かってネタ合わせしていたら、カメが餌もらえると思って集まってくるんですよ。そのカメを人に見立ててやってました。カメですけど、こっち見てるから、ちょっと緊張するんですよ。

きむ たしかにカメがそっぽ向いたらオモんなかったんかなとか思うかもな(笑)

田渕 だから生き物の前でやってみるのはアリですよ。目があることは大きいです。全部壁に向かって練習はしない方がいいかな!

きむ 壁じゃない側を向くだけでも緊張したりしますからね。そういうのもやってみるといいかもしれないですね。

ハイスクールマンザイへ出場する
高校生へメッセージ

田渕 漫才なんかどうやったらわからんってみんな言うと思うけど、いや、みんなわからんからな! 俺らもわかってないから。いいんですよ、やってみれば。オモロいから!

田渕さんも見よう見まねだったんですか?

田渕 めちゃめちゃ見よう見まねでしたよ。漫才は好きやからいっぱい見ていましたけど、何となくこんな感じかな、というくらいで。最初はみんな誰かの真似から入って、続けていくことで自分たちの感じになるんやと思います。お笑い好きなことを秘めてるタイプってめっちゃいますからね! そいつらの漫才ってめっちゃオモロいんです。

きむ 僕も高校生当時ハイスクールマンザイを知っていたら、出てたかもな。外の世界で試そうとするのってすごいと思うし、お笑いをやるやらない関係なく、文化祭感覚でもいいからみんな出たらいいと思いますね。人前で何か喋ることの難しさとかわかるやろうし、知らない人の前で漫才をするというのは、高校生活で経験するような緊張ではないですからね。

読者プレゼント

インディアンス

田渕章裕(たぶちあきひろ)
’85年6月2日生まれ 兵庫県たつの市出身 
NSC大阪校31期生

きむ
’87年12月24日生まれ 大阪府出身 
NSC大阪校31期生

2010年10月コンビ結成

OFFICIAL WEBSITE

「ハイスクールマンザイ2022」

 出場高校生大募集!
 リモート漫才を撮影して送るだけ!
 募集受付は
 8月分:8月31日(水)まで

 詳しい内容は公式ホームページをチェック!