森の健康診断って? 高校生が「海上の森」で森のお仕事を体験!

③森の健康診断

海上の森では、森林や農地を活用した体験学習なども実施しています。今回はその森の中で、「森の健康診断」を体験しました。これは森林がどのような環境にあるのかを、簡単な器具を使い調査する手段のこと。森の健康状態を示す基準は様々ですが、今回は「林分形状比」と「相対幹距比」を調査しました。

▼メジャーと木材専用のチョークを使います。

森林全体を調べるのは大変なので、ここでは0.01haでサンプル調査。まずは中心となる木を決め、その中心木からメジャーで測った半径5.65m円の内側にある木々を調べます。


「林分形状比」調査
「林分形状比」とは、木の太り具合と高さのバランスを示す指標のこと。樹高(m)➗平均胸直径(cm)×100で表された数字を指し、これが75〜80以下*であれば“健康”と判断できます。
*スギ・ヒノキ林の場合



測った幹の太さは、一本ずつチョークで木に記録(このチョークは雨で流れるそうです)。円の内側の木すべてを測り、その平均値を出します。木の高さはどれもほぼ同じなので、サンプルとして一本の高さを測りました。


「相対幹距比」調査
「相対幹距比」とは、木の高さに対して、隣り合う木同士の平均的な距離を示すもの。
(立木同士の平均間隔(m)➗樹高(m))×100で表された数字を指し、これが17〜20%*であれば、林の混み具合は適正です。
*スギ・ヒノキ林の場合

中心木でメジャーの先を押さえ、その周りに円を描きながら、円内側にある木の数を数えます。

無事に計測終了! それぞれ計算した数字をもとにした「健康診断結果」はこちら▼

「林分形状比」…100
高めの数字なので、過去に間伐するタイミングが遅れるなどして、木が十分に太ることができなかったようです。

「相対幹距比」…12%
低めの数字なので、過密気味かも。“健康維持”のために、間伐した方が良さそうです。

杉嵜さん

森が常に健康な状態でいられるよう、定期的な伐採を行うなど管理しています。


体験を終えて

海上の森の豊かな自然と、それを支えるお仕事を体験した一日はあっという間でした。

むさし

普段体験できないようなことを体験できて、とても楽しかったです。とくに森の健康診断は、とても貴重な体験でした。山を登るのは少し大変でしたが、きれいな花や鳥の鳴き声を聞くことができてよかったです。

かんた

巡視や生物季節調査で普段見る事のできない植物を見ることができて、とても楽しかったです。森の健康診断や猛禽類調査など、学校では学習しないことを体験して、学びになりました。

そうた

一番面白かったのは生物季節調査! 冬の一輪花もきれいでしたが、春や夏のたくさんの花も見てみたいと思いました。森の健康診断では、木一本に対しても、幹の太さや木の間隔など考えさせられることがたくさんあり、興味深かったです。

けんた

森も木が密集しすぎると良くないなど、森の状態について知ることができました。猛禽類調査では、最後の5分でノスリを見ることができてよかったです。なかなか森に行く機会がありませんでしたが、きれいな花や実を見ることができて、また行きたいと思いました。


今日巡ったのは、海上の森のごく一部。豊かな自然はもとより、自然を手軽に楽しめる遊歩施設のほか、「海上の森アカデミー」「里と森の教室」なども開催しています(要事前申込)。ぜひ足を運んでみてください!

海上の森

お問い合わせ:あいち海上の森センター(愛知県瀬戸市吉野町304-1)
電話:0561-86-0606

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