「優しい気持ちになって帰って欲しい」横浜流星&清原果耶、小泉監督『線は、僕を描く』大阪舞台挨拶

全国の書店員が絶賛する砥上裕將の小説「線は、僕を描く」を『ちはやふる』を手掛けた小泉徳宏監督を筆頭にした製作チームが再集結し、【水墨画】の世界を描いた『線は、僕を描く』が10月21(金)より公開中。

10月24(月)にTOHOシネマズ梅田で開催された「公開記念舞台挨拶 in 大阪」に主人公・青山霜介役の横浜流星、水墨画の巨匠・篠田湖山の孫である篠田千瑛役の清原果耶、小泉徳宏監督が登壇。メインのロケ地となった滋賀での意外なエピソード、関西ならではの質問やムチャ振りも飛び出した和やかな舞台挨拶の様子をお届けします!

“明日から精一杯頑張って生きる”
ポジティブで明るい気持ちに

当日、舞台挨拶の司会を務めたのは読売テレビの林マオアナウンサー。実は彼女自身も本作に出演しており、映画を観終えたばかりの観客に自身の出演について伝えると、彼女の出演に気づいていた客席のあちこちから拍手が聞こえてきた。場も空気も温まり、いよいよ横浜流星、清原果耶、小泉徳宏監督が登場!

早速、おひとりずつご挨拶をお願いします。

横浜 「皆さん、本日はお越しいただきありがとうございます。霜介役を演じました横浜流星です。こうやって大阪で舞台挨拶ができて本当に嬉しいです。映画を観終わった後に皆さんが拍手をしてくださっているのが舞台裏まで聞こえてきて本当に嬉しい気持ちになりました。短い時間ですけど、皆さんに楽しい時間を過ごせてもらえたらいいなと思っております。よろしくお願いします」

清原 「篠田千瑛役を演じました清原果耶です。今日はお越しくださって本当にありがとうございます。まさか大阪で舞台挨拶ができるとは思っていなかったので、皆さんにこの場でお会いできて本当に嬉しく思っています。今日は最後までよろしくお願いします」

小泉 「映画監督の小泉です。『ちはやふる』の時も確かここで挨拶させていただき、この劇場は久し振りなのですが、その間にコロナ等々いろいろあって。またこの地に帰ってこられたことを本当にありがたく思っています。集まっていただいた皆さん、本当にありがとうございます。いつも大阪の皆さんはノリが良いので、それがすごく楽しいです」



本作をご覧になられた皆さんに伝えたいこと、印象に残っていることをそれぞれ教えていただけますか?

横浜 「皆さんそれぞれ受け取り方が違うと思うので、皆さんが今思っていることを大事にして欲しいなと思います。印象に残っているのは最初に湖山先生が水墨画を描かれるところです。すごくいいロケーションで、三浦さんの水墨画の筆さばきを実際に目にして本当に心を掴まれましたし、実際に本編を観た時も編集の力でさらにスケールアップされていてすごく印象に残っています」

その日の朝は確かお天気も少しぐずついていたかと思うんですが、実は私も少し登場させていただいていて…。

横浜 「そうですよね」

覚えていてくださってるんですね。

横浜 「もちろん! 共演者なので」

恐縮です。あの日、実は虹が出ていたんですよね? 清々しい瑞々しいシーンになったと感じました。続きまして清原さんはいかがでしょうか?

清原 「この映画を観終わった時に、“明日から精一杯頑張って生きていこう” という気持ちになれたので、ポジティブな明るい気持ちを皆さまに持って帰っていただけたら嬉しいなと思います。印象に残っているシーンは霜介が湖山先生にお弁当をもらうところです。 湖山先生 (おじいちゃん) 優しいなという気持ちと霜介モリモリ食べてて良かったなって。どの目線なのかわからないですけど(笑)。ほっこり温かくなれる人の優しさみたいなものが日常に描かれていて好きなシーンです」

小泉 「敢えていうなら優しい気持ちになって帰ってもらえたらいいなと思います。自分で作っておいて言うのもなんですが優しい映画だと思います。印象的なシーンは、江口(洋介)さん演じる西濱(湖峰)さんと霜介が地元の食べ物を収穫したりもらいに行ったりするところがあるんですが、そこの力の抜け具合が個人的には印象的かなと思いました」

横浜 「ニワトリのシーンではおにぎりをもらいました」

小泉 「スイカを割ってニワトリが群がるシーンがあるんですが、ロケハンで訪ねた地元の方がおもむろにスイカを割ってすんごいことになって。これはぜひ映画に入れようということになりました」

京都・滋賀でオールロケ!
3人が関西で行ってみたい場所は?

小泉監督は本作を含めて4作連続滋賀で撮影されていますが、滋賀県を一言で言うとどのような場所ですか?

小泉 「一言…そうですね、“何にも染まっていない少年のような感じ” とかどうですかね?(笑) 特定のイメージが固定されていないという意味で、日本のどこにでもなれるんですよね。何にでもなれるというのは霜介っぽいかなと」

今回は滋賀の他に京都でもロケをされましたが、関西での思い出や行ってみたい場所、やってみたいことはありますか?

横浜 「撮影中はご飯を食べに行くことしかできなくて、なかなか堪能できてなかったので、いずれいろいろ行ってみたいなと思います。(滋賀では)近江牛を食べたんですが、美味しかったです」

清原 「行きたいところ…地元過ぎて…。それこそTOHOシネマズ梅田は学生時代によく来ていたので、またこの場所に帰って来られたのは嬉しいです」

大阪出身の清原さんが横浜さんを連れて行きたい場所はありますか?

清原 「オススメの場所? 何をしたい?」

横浜 「ゆっくりしたいよね。心洗われたい」

清原 (客席が首を傾げる様子を見て)「(そんな場所は)ないかもしれないね」

横浜 「気持ちが高まる場所!」

清原 「通天閣?」

通天閣は最近すべり台もできましたので、ぜひ行ってみてください! 小泉監督はいかがですか?

小泉 「僕は自転車が好きなんですが、自転車好きの間では琵琶湖を一周する文化があるんです。折り畳み自転車を持って行ってたので、撮影中も乗っていたんですけど、琵琶湖一周には全然届かず…。またいつか挑戦したいです」

せんぼく舞台挨拶
せんぼく舞台挨拶

奥深くて魅力的
出会って良かった日本文化

ティーチインでは大勢の観客が手を挙げて希望する中、2名が熱い感想を述べ、作品について質問!

映画を観て、いろんなことに挑戦しようと思えました。撮影中のNGシーンなどはありましたか?

小泉 「NGが連発するようなことはなかったような気がします。水墨画を描くシーンは、水墨画の先生にお願いするシーンもありましたが、出演者本人が描くところもいっぱいあって。でも、NGが出せないみたいな場面もたくさんありましたからね」

清原 「NGを出しちゃいけないっていう緊張感がすごくありましたからね」

私は霜介と同じ学生なのですが、霜介が水墨画と出会って生き生きしていく姿や、墨の濃淡だけで描かれる水墨画の魅力や奥深さを知って素敵な映画だと思いました。この映画の役を演じる前と演じた後で水墨画の印象は変わりましたか?

横浜 「水墨画の知識が何ひとつなかったので、最初はどうやって描かれているんだろう、難しいんだろうな、自分に描けるのかなというのが第一印象でした。でも、実際にやってみると、すごく楽しくて。もちろん難しいですけど、その時の感情が線に出るし、失敗もないので自由に描けるけれど、自由に描ける分またひとつ壁にぶち当たって。水墨画の指導をしてくださった (小林) 東雲先生は “線を見ればその人がわかる” と仰っていて、水墨画はすごく魅力的で奥深くて、自分と向き合うこともできて、水墨画が大好きになりました」

清原 「水墨画のことは以前から知っていたんですが、この作品で水墨画を描くという話を聞いて “私にできるの?” と思いました。私の役は初めから水墨画が上手くないといけない役だったので、“大丈夫かなぁ” と思いながら練習を始めたんですけど、東雲先生が「間違いとかNGとかないんだよ」とずっと声を掛けてくれていて、失敗とかないんだと思うと気が楽になっていって、“ハネちゃったけど、これはこれで活きが良くていっか!” と水墨画と楽しく向き合えたので、出会って良かったと思える日本文化です」

最後に代表して横浜さんからメッセージと大阪弁で一言いただいてもいいですか?

横浜 「皆さん、本日はありがとうございました。映画を観終わった後の皆さんの顔を見ることができて嬉しく思いますし、こうやって熱い感想をくださるのは僕らは本当に幸せで嬉しいです。この作品をもっともっと多くの方に届いて欲しいと思っています。そのためには皆さんのお力添えが必要です。今、皆さんが心に思っていることを周りの方に伝えたり、SNSで伝えていただいて、この作品を大きくしてくださると嬉しいです。本当に今日はおおきに!」

最後にフォトセッションが行われ舞台挨拶は終了。
「ch FILES」10/20発行号 関西版の誌面でも特集ページを展開しているので、こちらもあわせてぜひチェックを!

読者プレゼント

『線は、僕を描く』
  • 出演:横浜流星
    清原果耶、細田佳央太、河合優実
    矢島健一、夙川アトム、井上想良/富田靖子
    江口洋介/三浦友和
  • 原作:砥上裕將『線は、僕を描く』(講談社文庫)
  • 監督:小泉徳宏
  • 脚本:片岡翔、小泉徳宏
  • 主題歌:「くびったけ」yama produced by Vaundy
  • 配給:東宝

©砥上裕將/講談社 
©2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

全国公開中