宮沢氷魚|進路選択にとても悩んだ高校時代。驚きの “花より男子” な制服事情とは…?

原作は、シリーズ累計発行部数40万部を突破。『僕愛』から観るとちょっと切ないラブストーリー、『君愛』から観ると幸せなラブストーリーとなり、2作品観るとふたつの世界が絡み合う…。本作品で声優初挑戦を果たした主人公・暦役の宮沢氷魚さんにお話を聞きました。

観る順番によって
結末が変わるストーリー

『僕が愛した全ての君へ』より

宮沢さんは最初どちらから読まれましたか?

宮沢 僕は『僕愛』の方から読みました。脚本もこちらから読んだし、アフレコもこちらから録ったんです。『君愛』から読んだり観た人は、きっと作品の捉え方が変わるだろうなと思いますし、その方にしかわからない面白味があると思うので、一度全部の記憶を消して、新たに逆の方から観てみたいですね。それがこの作品の醍醐味かなと思います。

同じ登場人物でも選択によってまったく違う人生を歩むというのが面白いですよね。

宮沢 僕が演じた「暦」は、7歳の時に両親が離婚して、どちらに付いて行くかという決断がその後の人生を左右する大きな分岐点となるんです。「高崎暦」、「日高暦」という人物のベースは変わらないにしても、その先の境遇はまったく違って、演じていても時々違う人物を演じているようで不思議な感覚でした。

『君を愛したひとりの僕へ』より

演じながら、もう片方の暦を意識したりしましたか?

宮沢 正直その余裕はなかったですね。作品ごとに制作も監督も違って、それぞれ2日ほどで朝から晩までかけて録ったんです。音響監督が指示を出してくれるんですが、まず『僕愛』の収録に入った時に「もう一方のことは気にしないで」と言われて、とにかく『僕愛』に集中しました。収録を終えて、次に『君愛』の現場に行くと、「こっちはこっちだから」と言われて(笑)。脚本家さんは同じなのですが、スタッフが丸ごと違うので、どちらも新鮮な気持ちで臨むことができました。

すごい。面白いですね!

宮沢 『僕愛』はテクニカルに声の出し方を教えてもらった感じ、『君愛』は感情優先で好きなようにやったらいいよ、という感じで、それぞれ演出も違いました。

特にお気に入りのシーンはありますか?

宮沢 『僕愛』は、和音に呼ばれてカラオケボックスに行って、結局暦が騙されるというシーンがあるんですが、疑いから入ってそれがイライラや安堵に変わっていく感情の変化から暦の表情や和音のいたずらっぽいところも見えるシーンなので、演じていても楽しかったです。

私も好きなシーンです。

宮沢 『君愛』の方は、研究がうまくいかなくて、交差点でやけになって大声を出したり泣き崩れたり、感情をあらわにするシーンが好きです。

▶高校時代、進路の選択にはとても悩んだ