高校生でも今すぐ目指せるプロアスリートって?「ボートレーサー」というお仕事の魅力に迫る!

誰もが一度は憧れるプロアスリート。目指すには幼いころからその種目で実績をあげていないといけないイメージが強いけれど、実はボートレーサーは15歳以上なら未経験でも今すぐ目指すことができるんです。でも、ボートレースって高校生にとってはなかなか馴染みのないスポーツ。そこでchスタッフがBOAT RACE蒲郡でレースを見学。現役選手にもお話を伺いました!

ボートレースとは?
6艇のボートが600mのコースを3周して着順を競うモータースポーツ。そのスピード、スリル、熱気はまさに水上の格闘技!

収益金の使い道
ボートレースを主催しているのは、各ボートレース場がある地方自治体。だから、その収益金は学校や病院などの公共施設の建設、道路整備、再開発事業など、社会のために活用されています。


まずはBOAT RACE蒲郡でレースを見学!


この日行われていたのは、女性レーサーさんのみが出場するレース。



スタート前、ピットではレースに備え、選手の皆さんがボートの整備を行っていました。モーターやプロペラの調整はレースの行方を左右する重要な要素の一つなんだそう。



ボートにはステアリングホイールという自動車と同じようなハンドルと、スピードを調整するスロットルレバーがついていて、これでボートを操ります。



ボートレース場のシンボルとも言える直径3mの大時計。この時計の針が12時を指したらいよいよレーススタート!


レース場では、椅子に座ってゆっくりレースを見学することもできますが、せっかくなので、間近で見ることのできるスタンドへ。



生で見るレースのスピード感は圧倒的!最高速度はなんと時速85kmにもなるそう。その迫力に全員釘付けです。


特別に実際にレース中にボートレーサーさんが着ているユニフォームを着用させていただきました!

安全のために、防弾チョッキなどと同じ丈夫な繊維が使用されていて、中には救命胴衣を着用します。



BOAT RACE蒲郡のキャラクター、トトまる。全国24場のボートレース場それぞれにキャラクターがいて、レースの冠名になることも。

ボートレースはコース取りやターン、ボートの整備など、多くの要素が複雑に絡み合って勝敗が決まる奥の深いスポーツでした!

いよいよ選手にインタビュー!

レース見学の後、現役選手にボートレーサーのお仕事について教えていただきました。


今回お話を伺ったのはこちらの3名。

一色雅昭さんと凌雅さんは親子でボートレーサーとして活躍されています。

未経験からでも目指せるプロアスリート!?
ボートレーサーってどんなお仕事?

まずは、ボートレーサーさんのお仕事内容を教えていただけますか?

一色(雅) ボートレースのレースに出場することです。出場レース数はレーサーのランクによって違いますが、上位ランクのレーサーは1年間で300レース以上、その下は約250レース、一番下のランクだと150レースくらいです。
一色(凌) 自分が乗るボートの整備も自分で行うんですよ。レースがない日は基本的にはお休みです。まとまった休みを取ることができるのもこの仕事の魅力の一つですね。

ずばり、年収はどのくらいなんでしょうか?

一色(雅) 僕は1000万円くらいですね。平均は約1700万円です。
一色(凌) まだ成績が落ち着いていなくてムラがありますが、同じくらいですね。
出口 去年は優勝したレースもあり、1800万円くらいでした。

日本の平均年収が436万円だから、その4倍くらい!2020年の最高獲得賞金は峰竜太選手の253,027,000円だそう!

プロを目指すにはやはり経験者でないといけないのでしょうか?

一色(雅) アマチュアボートの経験がある人も稀にいますが、僕も含め、養成所に入るときの試験でボートに初めて乗ったという人がほとんどですよ。
一色(凌) 養成所で基本から学ぶことができるので、ボート未経験でも、運動神経が無くても大丈夫!

男女関係なく活躍できるとお聞きしたのですが本当ですか?

出口 レースでは性別も年齢も関係ありません。男性のほうが力が強いので、ボートを操るのがうまい人も多いですが、女性は体重の軽さがアドバンテージになりますよ!

1600名中240名の女性レーサーさんが活躍中!

先ほどレースを拝見して、そのスピードに驚いたのですが、ボートに乗っていて怖いと思うことはないですか?

出口 初めてボートに乗ったときはすごく怖くてドキドキしましたが、練習していくうちに慣れました。もちろん怪我をする危険もありますが、他人に怪我をさせてしまうことのほうが怖いので、しっかり広い視野を持ってレースに挑むようにしています。

ほかのプロスポーツに比べ、長く現役を続けられるのも特徴だとお聞きしたのですが、いつまで現役を続けられたいですか?

一色(雅) 今年でデビューから30年になり、そろそろ引退してもいいかなと思っていますが、まだ、凌雅と一緒に出走したことがないので、その日が来るまではがんばります。

ボートレーサーは厳しいけれど
周りの人にも勧められる仕事

ボートレーサーを目指したきっかけを教えていただけますか?

一色(雅) 叔父がボートレーサーだったので、子どものころから親しみのある職業でした。高校3年生でボートレーサーを志して、養成所の試験を受けたのですが、なかなか合格できなくて。入所するまでは普通のサラリーマンをしていました。
出口 中学生のころ、母の勧めでこの職業を知りました。そのころから将来の選択肢の一つではあったのですが、大学生にもなりたかったので、高校卒業後は大学に通いました。改めてボートレーサーを目指すようになったのは、就職活動のタイミングでした。
一色(凌) 小さい頃から父のレースでの姿に憧れて、ボートに乗ってみたいと思っていました。

雅昭さんは凌雅さんがボートレーサーを目指すと聞いたときはどう思いましたか?

一色(雅) 自分と同じ職業に就きたいと言ってくれたことは嬉しかったですが、厳しい世界でもあるので本人の意思の固さは確かめました。凌雅は体重を増やさなければいけない野球をしていたので、ボートレーサーになるためには10kgくらい体重を落とさなければいけなかったんですよ。

10kgの減量ですか!?それは大変だったのでは?

一色(凌) そうですね。でも、夢を叶えるためで、目標も明確だったので苦にはなりませんでした。

凌雅さんの弟さんもボートレーサーを目指しているとお聞きしましたが、何かアドバイスはしましたか?

一色(凌) 頑張れよというくらいで、特にかっこいいことは言えていないです(笑)

出口さんは周りの人がボートレーサーになりたいと言ったら応援しますか?

出口 私はボートレーサーになれてよかったと思っているので、もし本気で目指したいというなら応援します。

さきほどから、養成所という言葉が何度か出ていますが、ボートレーサーになるには養成所に通う必要があるのですか?

一色(凌) そうです。一瞬のミスが大事故に繋がることもあるので、厳しく指導されます。

なんだか大変そうなイメージですが…。

一色(凌) 入ってすぐは、訓練内容もですが、年齢も育った環境も違う人と一緒に生活するのが大変でしたね。
出口 私も初期訓練の頃はメンタル面も辛かったですね。でもボートレーサーになるという夢があったのでがんばれました。

レースはいつも真剣勝負
だからこそやりがいがある

お仕事のやりがいを感じるのはどんなときですか?

出口 やっぱりレースで勝てたときです。
一色(凌) 良くも悪くも自分次第で結果が変わるスポーツなので、良い結果が出たときの達成感はとても大きいですよね。
一色(雅) 6人で競い合うので、思い通りの展開になることは少ないですが、努力の結果が出たときは嬉しいし、次のレースへのモチベーションにも繋がります。

初めてレースで勝ったときはどんな気分でしたか?

出口 同期の中では1着を取るのが遅かったほうなので、念願が叶って、とても嬉しかったですね。
一色(凌) 言葉では表現できないくらい嬉しかったです。
一色(雅) 自分が初勝利したのはもう30年も前になるのであまり覚えていなくて…。凌雅が初めて勝ったレースのほうが印象に残っています。家のテレビで見ていたのですが、ここ最近で一番興奮しました。

ボートレーサーとしての夢や目標を教えてください。

出口 女子のなかでトップクラスの選手になることです。
一色(凌) しっかり結果を出して、どんどん上を目指していきたいですね。
一色(雅) もう年なので、自分の夢というわけではないですが、凌雅が大きなレースに出られるようになってくれると嬉しいです。

今月のテーマは「食」ですが、ボートレーサーさんは普段どんなメニューを食べているのですか?

一色(雅) レース参加中は全員同じメニューを食べるので、体重管理をする場合は量で調整しています。全く食べずにサプリメントで補っている人もいますが、僕は無理しない程度の減量にしています。
一色(凌) ボートレーサーの中では体が大きい方なので、レース中以外でも気を使うようにしています。
出口 2、3年前までは体重が増えやすかったのですが、最近は落ち着いてきたのでバランスよく食べることを意識しています。

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