今年で5回目の開催を迎えた「関西演劇祭2023」が11月11日(土)~11月19日(日)までCOOL JAPAN PARK OSAKAにて開催された。
今回も関西のみならず全国から多数のエントリーがあり、その中から選び抜かれた10劇団が参加。
笑いと感動で溢れ、たくさんの “つながり” が生まれた「関西演劇祭2023」の模様をお届けします!
“つなぐ” をテーマに2019年9月にスタートし、劇団・お客様・審査員やスタッフなど、参加するすべての人がさまざまな形でつながる演劇祭。
POINT1
クリエイター、俳優など、
新たな才能を関西から発信
POINT2
有名無名を問わず
選りすぐりの10劇団が登場
□ 演劇組織KIMYO
□ 餓鬼の断食
□ 劇団イン・ノート
□ 劇団FAX
□ バイク劇団バイク
□ PandA
□ MousePiece-ree
□ 無名劇団
□ ヨルノサンポ団
POINT3
観客からの質問に俳優やクリエイターが
その場で答えるティーチイン
POINT4
参加劇団には
「関西演劇祭プロデュース公演」参加や
マスコミ・エンタメ業界との橋渡しも
【関西演劇祭2023 実行委員長】
南野陽子(俳優)
©Koki Nishida
【関西演劇祭フェスティバル・ディレクター】
板尾創路(お笑いコンビ130R・俳優・映画監督)
【関西演劇祭2023 SPサポーター(審査員)】
野上祥子(株式会社ネルケプランニング 代表取締役社長)
【関西演劇祭2023 SPサポーター(審査員)】
三島有紀子(映画監督)
【関西演劇祭2023 SPサポーター(審査員)】
岡田健(株式会社NHKエンタープライズ 第3制作センター ドラマ部エグゼクティブ・ディレクター)
【関西演劇祭2023 スーパーバイザー】
西田シャトナー氏(劇作家・演出家・俳優・折り紙作家)
審査員が選考に非常に難航したというほど接戦を繰り広げた「関西演劇祭2023」。
受賞した劇団の中から4劇団に関西演劇祭への思いをお聞きしました!
MVO(Most Valuable Opus)
PandA
「MVO(Most Valuable Opus)」の受賞、おめでとうございます! 今のお気持ちをお聞かせください。
高梨 私は昨年の「関西演劇祭」に劇団なんば千日前の演出で参加していて、すごく素敵な演劇祭だったので、来年は福岡のメンバーと一緒に参加したいと思って今回応募に至りました。PandAは私と黒瀬の二人だけなので、今回は福岡の芸人さん、劇団の主宰者や主要メンバーなど福岡の実力派の方たちに声を掛けて参加しました。福岡のエンターテインメントの集大成のようなものを見せたいという思いがあったので、みんなでMVOを取れて嬉しいです。
黒瀬 本当に嬉しいです。僕らはPandAの劇団員としてみんながずっと一緒に活動しているわけではなく、個々がそれぞれの場所で頑張っているので、今回はそれがギュッと集まった力を出せたと思います。
関西演劇祭に参加されていかがでしたか?
高梨 みんなでつながる感じが素敵だなと思います。他の団体さんの公演を一度に観られてすごく刺激をもらえましたし、ティーチインでは自分たちの公演後にお客さんから質問や感想をいただけて、関西演劇祭は演劇界のテーマパークです。これをきっかけによりたくさんの人がPandAの公演を観に来てくれたらいいなと思います。この勢いに乗ってお客さんたちをいい意味で裏切る公演を作り続けていきたいです。
PandA
審査員特別賞
無名劇団
「審査員特別賞」の受賞、おめでとうございます!
島原 みんなでこの賞を受賞できたことがとても嬉しいです。関西演劇祭にはずっと出たいと思っていて、以前にエントリーした時は審査に通ることすらできなくて…。憧れの関西演劇祭に出るために昨年は会場に足を運んで、どんな団体が参加していているのか、どんな系統のお芝居が求められているのかを観てかなり研究しました。
憧れの関西演劇祭に参加されていかがでしたか?
島原 実は16年前に演劇の全国大会で今回の演劇を披露したんですが、その時に西田シャトナーさんが審査員として参加されていたんです。そこから時を経て西田さんと再会できて、またこの公演を観ていただけたのも “つながる” だったと思います。私たちは普段、西成の鶴見橋商店街で一般の方に観てもらいやすい演劇を作ることを目指して演劇をしているのですが、関西演劇祭はそれにとても近い空気感があったように感じました。
来年の関西演劇祭への思いはいかがですか?
島原 叶うならば何度でも参加したいです!
無名劇団
観客賞
MousePiece-ree
「観客賞」の受賞おめでとうございます! 今の気持ちをお聞かせください。
森崎 素直に嬉しいです。皆さんがわざわざ足を運んで観に来てくださって…こんな嬉しいことはないです。関西演劇祭は1回目の開催から参加したいと思っていたのですが、自分たちの劇団の本公演の時期とずっと重なっていて、出る機会を失っていたんです。それで、今年は本公演をやめて関西演劇祭に参加させていただきました。
関西演劇祭で楽しかったエピソードがあれば教えていただきたいです。
上田 審査員の方と直接お話ができてすごく良かったですし、ティーチインではお客さんから直接質問を受けて学生さんとお話できたこともすごく嬉しかったです。
早川 今回10劇団が参加していて皆さん楽しい人ばかりでした。若い劇団の方とお話できて刺激を受けました。
関西演劇祭はMousePiece-reeさんにとってどのような演劇祭ですか?
森崎 50歳を過ぎてこれがターニングポイントだなんて言ってる場合ではないかもしれないですけど、50歳を過ぎて今まで頑張ってきたことがちょっとでも報われたらという思いで関西演劇祭に挑戦しました。今回、観客賞をいただいて僕たちを支えてくださったのはやはりお客さんだと改めて感じました。これからも今までと変わらず地道に実直にコツコツとやっていきたいです。
MousePiece-ree
演出賞
劇団イン・ノート
劇団イン・ノート
普段は東京を拠点に活動されていますが、今回関西演劇祭に参加されていかがでしたか?
石川 MVOを受賞できなかった悔しさもありますけど、まだまだ認めてもらえる伸びしろがあるなと思いました。
芝原 今までずっと一緒に演劇をやっていた仲間たちが大阪の実家に帰ったり大阪の方で働き始めて、その人たちに劇団イン・ノートの芝居を観てもらう機会がなくなってしまったんです。そんな時に関西演劇祭の存在を知って、まずはその人たちにお礼返しの気持ちを込めてその人たちの地元で舞台をしたいと思って今回応募しました。
関西演劇祭は劇団イン・ノートさんにとってどのような演劇祭ですか?
浦野 僕たちは東京から唯一参加した劇団だったので正直不安が結構大きかったのですが、審査員の方や裏方のスタッフさんや皆さんが優しくフォローしてくださってあたたかい演劇祭だと思いました。
先ほど「悔しい」というコメントをいただきましたが、来年の参加への思いはいかがですか?
芝原 来年ももちろん参加したいですが、もう1年くらい練習して勝負の年にまた参加したいです。必ずまたここに戻ってきたいと思います。
※劇団イン・ノートは演出賞の他に石川なつ美がアクター賞を受賞。
南野陽子さん、西田シャトナーさん、三島有紀子監督&ヨルノサンポ団の生田有我さんに訊く「関西演劇祭」の魅力