始動|私たちの未来予想図~vol.1「10年後に求められるマイスペース・マイタイム」~

ch FILESでは、現役の高校生スタッフたちと「高校生が取材し、同世代に伝える」をテーマに、高校の図書館を拠点に情報を発信してきました。

そんなch FILESはこの度キヤノンマーケティングジャパン株式会社ichikara Labと手を組み、将来を担う若者とともに未来に繋がるヒントを探索する「私たちの未来予想図」をスタートしました!

私たちの未来予想図では、若者が自分事として語ることができるテーマを元にインサイトを探索する「ワカモノスタディ」や、そのインサイトに確からしい未来の情報を掛け合わせて10年後に実現したい未来を考える「未来洞察」、未来起点で新しいアイデアを発想する「新規アイデア創出」等、現役高校生スタッフを中心に、OGOBも交えながら、「未来」をキーワードとした様々な企画をおこなっていきます。

ichikara Lab(イチカララボ)」とは

キヤノンマーケティングジャパン初の企業内起業。新しい顧客層へのリーチを目指すだけでなく、未来に一番近い存在=若者と定めて若年層マーケティングに取り組んでいます。幅広い若年層と共に活動することで得た未来に繋がるヒントを元に、若者に寄り添う新しい商品・サービスの企画開発に挑戦しています。

ichikara Lab WEBサイト

ichikara Lab X





第1回目の「未来洞察」では「10年後に求められるマイスペース、マイタイム」をテーマに、『確からしさのある未来の情報』と『未来の生活者(学生)の価値観』を掛け合わせて、実現したいと思う未来の生活シーンを創造します。

使い方や過ごし方において自分で決めることができる空間や時間が今後どのように変化していくかを中学生から大学生までの14人が3チームに分かれて考えてみました。



まずは一般的な未来年表や世界的な指標(SDGs等)、公官庁発行レポートなどで予想されている10年後の未来の情報のなかで「起きるかどうか分からないけど起きたときに影響が大きいもの」を6つピックアップ。

●物も空間も、共有が当たり前に
歴史的な価値や唯一無二の価値がないものを除いて、日常生活で使う物は所有せず、共有することが当たり前に。シェアリングサービスの普及により、共有する対象は物だけではなく空間やスキルなど、無形のものもシェアする時代になっている。


●もはや自然災害は、頻発するもの
熱波や干ばつ、豪雨、台風の巨大化など極端な気象状況が深刻化。自然災害は、もはや日常的に起こるものになっている。普段の日常生活だけではなく、レジャーやスポーツ等にも幅広く影響している。


●「正社員」はいなくなる
一つの企業に所属してその組織の中で働く形ではなく、人々は仕事に合わせて企業の内外を柔軟に移動するようになっている。例えば、あるプロジェクト期間内は対象の企業の中で取り組むが、プロジェクト終了とともに次のプロジェクト(企業)に移動する。「正社員」「非正規社員」という区別も消滅している。


●学校の授業は、全てリモートに
VR技術やホログラム技術等の普及により、授業を受けるためだけに通学する必要がなくなる。学校でも自宅でも、同じ教育を受けることが出来る。知識を詰め込むよりも、自分で考えて提案できる「創造力」を育むことを重視した教育が定着し、学校にも様々なICTサービスが活用されている。


●1つの場所にとらわれない暮らし方に
希望する人は誰でも、自由にマルチハビテーション(多拠点移住)を選択することができ、一つの場所にとらわれない生活も暮らし方の一つとして当たり前になっている。


●カフェも、図書館も移動式に
完全自動運転の実現により、営業しながらの移動が可能となった飲食店、医院、クリーニング、スーパー、教育施設等の小型店舗型サービスが、顧客の求めに応じて道路を移動するようになる。
これらの中から各チームごとに一つの情報を選び、チームメンバーの価値観をディスカッションしながらかけあわせていきます。


TEAM.A

なお

「自分に必要ものを大切にする」
今の若者には、必要のないものをわざわざ持つ意味を感じないという価値観があるので、自分が所有したいと思うもの以外はレンタルで済ませ、その分浮いたお金はもっと好きなことに使うようになるのではと考えました。

すみれ

「家のなかでなんでもできちゃう」
ショッピングだけでなく、仕事も学校も家から参加できるようになり、家の中だけで生活が完結できるように。外に出るための準備や移動がいらなくなる一方で人と関わることが苦手な人が増えそうです。

せと

「“日本っぽい”がなくなる」
多様化がさらに進み、自分のスキルを磨いてお金にする人が増えることで、自己肯定感の高い人が増え、“日本っぽい”とされている周りの目を気にしたり、空気を読む文化が段々となくなっていくのではと思います。

さほ

「無駄なく、効率良く」
それぞれの持つスキルを共有し、お互いの足りない部分を補い合うことで、一人ひとりの負担を軽くすることができ、また高価なものや数回しか使わないものはシェアすることで、金銭的な負担だけでなく、廃棄による環境への負荷も減らすことにつながると思います。

かな

「東京に縛られすぎないフリーな働き方(生き方)」
ARやホログラムを駆使し、遠隔地にいる人とも同じ場所にいるようにコミュニケーションをとることができるようになり、様々な組織から集まったメンバーでプロジェクト(仕事)を取り組むようになっていると思います。私自身も1つの組織や場所にとらわれずに、面白いと思えることに携わっていきたい(横断的な生き方がしたい)です。

かな いろんな人と物を共有する社会は、潔癖症の人にとっては生きにくいのかな。

全員 たしかに(笑)

なお 多様性は認められるべきだと思うけれど、もともとあるテリトリーに他人が入ってくることで衝突も起こりそうだね。

結論
物・空間だけでなく、スキルなどすべてを共有する“個の時代”が来る!


TEAM.B

けんし

「適材適所の時代へ」
AIなどの普及で知識は最低限で良くなり、人間にしかできない高度な技術がともなう仕事のみを人間がこなすように。そのため、自分で「考える力」に重点を置く教育となり、学歴は関係なく、それぞれの得意なことを活かせる仕事、やりたい仕事に就けるようになると思います。

ちか

「学びたいことを誰でも学べる未来」
授業のリモート化によって、時間や地理的な制約にとらわれることがなくなり、すでに社会に出て働いていたり、金銭的に一人暮らしができなかったりと様々な事情で学校に通えない人でも学びたいことを学べる社会になるのでは?

ひなた

「社内全員フリーランス」
働き方の幅が増え、給与のスタイルも選べる世の中になり、「やりたいことだけやっていきたい!」「仕事は義務ではなく、楽しんでやるもの」と考える人が増え、もちろんすべての会社がこのスタイルでは社会が回らないと思いますが、選択肢の一つとして社内全員がフリーランスという会社が出てくるのでは?

ゆうき

「自分が一番得意なことで誰かの役に立つ」
ChatGPTなどの出現によっていよいよ、人間とAIの境目がわからなくなってくる。AIの「模倣」の精度は高まっていますが、「模倣されるもの」がなくなればその真価を発揮できないと思います。そこで、「模倣される側」になるために習い事・学び直し・趣味を通して自分が本当に役立てることはなんなのかを探すことが大切になるのでは。

ひなた 「好きなこと」だけじゃなくて「得意なこと」もかけ合わせて、それを必要としているプロジェクトとマッチングさせることができればいいよね!

ゆうき 雇用の流動化も進んで、学歴や年齢に関わらず働けるようになって、労働人口の問題が解消につながりそう。

結論
フリーランスという働き方が社会の推進力に!?それにより教育の重点もかわり、学ぶ時期や場所もフリーに。


TEAM.C

せいは

「監視共向上型社会☆」
オンライン技術の進歩によって、自分の情報や空間を共有し、人との繋がりを確認しつつ、お互いに監視し合うことで、常に他人の目を意識するようになり、共に向上していく未来を想像しました。

りな

「自分専用の運動空間」
スマホの普及でとても便利な世の中になった一方で、スマホから離れて自分と向き合いたいという人も多いと思います。運動をしている時間はスマホから離れて自分と向き合えるので、移動式のジムなど人目を気にせず自分の好きなように体を動かせるような環境の需要が高まりそう!

かえで

「身体があるだけで生活できる未来」
すでに海外ではマイクロチップを体に埋め込んでいる人がいるというニュースを見ました。今はスマホさえあれば様々なことができますが、そのスマホさえなくても、埋め込んだマイクロチップだけで買い物をしたり、個人認証ができる時代になりそう!

たくみ

「誰もが自分の居場所を探せる社会」
リモートで仕事や勉強ができるようになり、人との出会い・関わりと地域との相性で暮らす場所を選んだり、一つの場所にとらわれなくてよくなると、過疎過密、地方の賑わい低下といった社会問題の解決にも繋がりそうです。

りん

「防災教育が身近なものに」
特に災害が頻発する日本では災害時の物資や支援の需要に供給が追いつかず、自分たちで乗り越えることが求められるように。そのための防災教育が企業や学校で定期的に防災教育が行われたり、福利厚生として防災グッズが配布されるようになるのではと予想しました。

せいは 防災アプリはもちろん、例えば体一つで避難しても娯楽や運動ができるような避難所での健康管理に役立つアプリも各端末にインストールされているのが当たり前になっていそう。

りん もっと天候や地形、危機管理への理解が進めば、起きそうな災害を事前に予測し未然に防げるようになって、そもそも避難をする必要もなくなるかも!

結論
どんな場所でも自分らしく生活できる技術やサービスが確立。災害時でも普段と変わらない日常をサスティナブルに回せる時代に!


次回は「新規アイデア創出」を実施予定。お楽しみに!