東海テレビ国際基金 多文化交流プログラムpresents「 フラワーロス問題について考えよう」

最近よく耳にする「フードロス」。まだ食べられる食品が捨てられてしまうことで、環境問題や飢餓問題につながっていて、現在解決に向けて様々な取り組みが行われています。しかし、実は食品と同じくにロスが問題になっているものがあるんです。それは美しさで、私たちの生活に彩りを与えてくれる“花”。そこで、この「フラワーロス」を解決するにはどうすればいいのか、様々な国にルーツを持つ高校生が集まり話し合いました。

ゲスト

平原バラ園 平原祥全さん
愛知県渥美半島の温暖な気候の中、敷地面積4,000坪(通常農家の3軒分の規模)という広大な温室で、​30種以上のバラを栽培されています。

1.
東海テレビの「ミライノニュース」『捨てられるロスフラワーを再生』を鑑賞

まずは、フラワーロスの現状を知るために、東海テレビの「ミライノニュース」を鑑賞します。

東海テレビ「ミライノニュース」とは…
持続可能な未来に向けて活動する地域の人々に光を当てる、夕方のニュース番組「NEWS ONE」のキャンペーン企画として放送中。一見すると難しく考えがちなSDGsを身近な問題とし捉え、アクションを起こすきっかけ作りを担います。

『捨てられるロスフラワーを再生』以外の「ミライノニュース」も「Locipo(ロキポ)」で視聴できます。様々なテーマを取り上げているので、ぜひ視聴して、SDGsについて考るきっかけにしてください!
「Locipo(ロキポ)」のダウンロードはこちら!⇒iOSAndroid

花屋さんで仕入れた花のうち、3割から4割が廃棄処分されると言われています。さらに、規格外の花は店頭に並ぶことすらなく、廃棄されてしまうそうです。この捨てられてしまう花は「ロスフラワー」と呼ばれています。

せっかく農家さんが育ててくれた花が捨てられてしまうのはもったいないだけでなく、育てるために使った水や肥料などの資源が無駄になってしまう、廃棄された花を燃やすことで二酸化炭素が発生して地球温暖化につながるという問題が発生しています。

平原さん

うちでは出荷できない花は堆肥にしていますが、花屋さんは売れ残った花を、本当に残念ですが捨ててしまわなければなりません。

2.
「フラワーロス」が起こる原因を考える

次に、なぜそんなにも多くのロスフラワーが出てしまうのか、その原因をみんなで考えます。

まず、1つ目は「花には出荷規格がある」こと。花には野菜と同じように大きさや色、形、品質などの規格があります。この規格があるので、商品としての質を均一に保たれ、花の付加価値を上げるブランディングにつながっています。しかし、一方でその規格から外れてしまった花は市場に出荷されずに廃棄されてしまうのです。

平原さん

花自体は綺麗にさいていても、茎が曲がっていたり、短かったりするものは規格外となってしまいます。

2つ目は「花は美しく咲いている期間が短い」こと。例えば平原バラ園で生産しているバラの花は冬場だと10日〜14日、春から秋は1週間程度しか持たないそう。なので、花屋さんが入荷して4、5日の間しか店頭に並べることができないんです。

平原さん

暑い時期は冷蔵庫に入れることで少しは長持ちさせることができますが、それでも限界はあります。食品ならば冷凍することもできますが、花は傷んでしまうので冷凍はできません。

3つ目は「花を飾る機会が減ってきている」こと。仏壇や床の間がある家が少なくなったことで、家の中で花を飾る家庭が少なくなっていたり、コロナ禍で冠婚葬祭やイベントが縮小されたことで、そこで使われるはずだった花が売れ残ってしまいます。

平原さん

バラも結婚式やお祝いの席でよく使われる花なので、コロナの影響が一番大きかった時期は出荷量がいつもの約6割程度になりました。

3.
「フラワーロス」問題を解決するためのアイデアを考える

では、そんな「フラワーロス」問題を解決するためにはどうすればいいのでしょうか?解決の糸口を探るため、海外の花事情を聞いてみました。

●パキスタン
日本ではお墓に切り花を備えますが、パキスタンではお墓の周りに亡くなった方が好きだった花を植えます。わたしは亡くなったおばあちゃんが好きだったジャスミンを家に飾っていて、それを観るたびにおばあちゃんとの思い出が蘇ってきます。
●ペルー
ペルーには花屋さんがたくさんあり、花と接する機会も多いです。以前は日本と同じようにフラワーロスの問題がありましたが、政府がそれを問題視して、対策を進め、今ではロスフラワーは堆肥にしたり、ソープやキャンドルといった加工品に使うのが一般的です。
●ブラジル
ブラジルではフラワーロスについて聞いたことがなかったので、日本で問題になっていると知って驚きました。母が花を好きなこともあり、ブラジルの家では庭には様々な花を植えていて、咲いた花はドライフラワーにして近所におすそ分けをしていました。また、学校の花壇にもたくさんの花を育てているし、カーニバルの時には街にたくさんの花が飾られるので、小さい頃から花は馴染みがあります。


今回参加したメンバーの出身国では、どの国でも日本と比べて、花がとても身近なものとして扱われているようです。日本でも花がもっと身近になることで、花屋さんで売れ残ってしまうロスフラワーを減らすことができるのでは?と考え、出たアイデアが「小学校で花を育てる「お花係」を作って、小さい頃から花にふれる機会を増やす」「美術の授業でロスフラワーを使った作品を作る」「ハロウィンのように、お花に関するお祭りを取り入れて(もしくは作って)、定着させる」というもの。また、「普段から花屋さんに行く習慣がない人にとっては、花屋さんに入るハードルが高い」という声もあり、ハードルを低くするために「カフェが併設された花屋さんを作る」「キッチンカーのように移動販売をする」のはどうかという提案も。

移動販売で学校の近くに売りに来てくれたら、友だちと一緒に買いたい!

さらに高校生にとって「短期間で枯れてしまう花を自分のために買うのは高いと感じてしまう」という意見に対しては、「ペルーのように、旬が終わった花をソープやキャンドルに再利用したり、ドライフラワーなどにして長く楽しむ方法が一般的になれば高校生でも手を出しやすくなるのでは」という案が。他にもスマホケースやアクセサリー、紅茶など様々な活用法のアイデアが飛び出しました。

わたしは部活を引退するときにもらった花をレジンで固めてキーホルダーにしました!

4.
ロスフラワーで花束を作ろう!

最後に、平原さんが持ってきてくださったバラで花束を作ります。



とても綺麗に咲いていますが、このバラたちは本来ならばロスフラワーとして処分されてしまう規格外のもの。実際に手にとってみると、やはりこんなに美しい花を捨ててしまうなんてもったいないと実感します。




様々な国にルーツを持つメンバーで「ロスフラワー」問題を考えることで、たくさんの気づきがありました!

花には人の気持ちを変える力があります。そんな花が捨てられてしまうことを知って、悲しくなりました。より多くの人にこの問題について知ってもらい、ロスフラワーが減ると嬉しいです。

「気づき」のあとには「動くこと」が大切。今日学んだことを3人に教えれば、その3人がまた3人に教え…とどんどん広まっていくので、皆さんもぜひ誰かに伝えてください!
様々なバックグラウンドを持つメンバーでディスカッションできて楽しかったです!他国の花事情も知る事ができ、いいアイデアが出たと思います。もっと身近に花がある生活が一般的になったらいいな。

今回始めて「ロスフラワー」という単語を聞きました。知らなければ解決に向けて動くことはできないので、まずは廃棄されている花があるという事実を広めることが大切だと感じました。
花が好きなので、ロスフラワーについての知識や皆さんの意見が聞けて、とてもおもしろかったです!自分でもできそうなアイデアもあったので、実践したいです。

知らなかった知識を知れたり、自分では思いつかないような考え方や意見を聞くことができて、貴重な体験をすることができました。







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