やりがいも年収も◎のプロアスリート・ボートレーサーという選択肢

将来はかっこいいプロアスリートになりたい。そんな憧れを持っている高校生の皆さんに知ってほしい職業、それはボートレーサー。応募資格さえ満たしていれば、ボートに乗ったことがない高校生でも今すぐに目指すことができるんです! ということで、ボートレース場の見学&現役レーサーさんにお話をお伺いしました。

まずはボートレース場を見学!

今回はボートレースとこなめで取材させていただきました!

2021年にオープンしたばかりの新スタンドはとてもきれいで、フードコートで食べられるご飯も美味しかったです。

子どもたちが遊べるキッズパーク「Mooovi」や地域の人たちが交流できる拠点「Gruun」も併設されているので、家族連れで来ている方たちも。「Mooovi」はおもちゃや遊具がたくさんあって、高校生でもワクワクしてしまいます!

家族はもちろん、友だちと来ても一日楽しめそうなスポットでした!


ボートレースってどんな競技?


6艇のボートが600mのコースを3周して着順を競うモータースポーツ。そのスピード、スリル、熱気はまさに水上の格闘技。各ボートレース場がある地方自治体が主催していて、収益金は学校や病院などの公共施設の建設、道路整備、再開発事業など、社会のために活用されています。

最高速度は時速85km。間近でみるレースは迫力満点で、猛スピードのボートを操るボートレーサーさんの姿はとてもかっこよかったです!
Check1 ボートの操作
ボートはステアリングホイールと呼ばれるハンドルと自動車のアクセルに相当するスロットルレバーで操ります。シンプルだからこそ、自在に操るには確かなテクニックが必要なんです!

Check2 モンキーターン
レースの勝敗に大きく影響を与える要素のひとつがターンテクニック。その中で最もポピュラーなのが、ボートの上に前傾姿勢で立ち上がり、外側に向かって足を蹴るように回るモンキーターン。ボートの外側に荷重がかかることで通常よりも高速で旋回することができるそう。


実際にモンキーターンの姿勢をとってみると思ったよりキツイ!

ボートの操作を体験できるVRアトラクション『BOATRACE VRスプラッシュバトル』に挑戦!

『BOATRACE VRスプラッシュバトル』は本物のボートと同じように操縦してレースを体験できる、新感覚のボートレース体験型VRアトラクションです。

VRゴーグルを装着し、操作を確認したら、いざ出走!

視界一面にコースが広がるうえ、ステアリングホイールとスロットルレバーでの操作だけでなく、モンキーターンの姿勢なども感知されるので、本当にレースに参加しているような臨場感を味わうことができます。

はじめは良いペースだったけれど、調子に乗ってインコースを攻め過ぎたら、ターンマーク(赤と白で塗られたトンガリ帽子のようなブイ)にぶつかって順位を落としてしまいました。悔しい!


ボートレーサーのお仕事
ボートレーサーの仕事はボートレースに出場すること。ボートの整備も自ら行います。イベントへの出演や、後輩の育成も大切なお仕事です。

Check3 ボートレーサーの宿舎
ボートレーサーはレース期間中はボートレース場に併設されている宿舎で生活をしています。食堂やトレーニングルームのほか、テレビや書籍、マッサージチェアなども用意されています。

宿舎はとても快適そうな空間でした!寝室は個室になっているので、集団生活のなかでもプライバシーを確保することができそうです。


ボートレーサーになるには?

ボートレーサー養成所で1年間、必要な知識や道徳を学び、試験に合格することでプロになることができます。

養成所に入所するための主な応募資格
年齢:15歳以上30歳未満
身長:175cm以下
体重:男子49kg以上57kg以下
   女子44kg以上52kg以下
裸眼視力:両眼とも0.8以上(コンタクト・眼内レンズ手術は不可)


ボートレーサーさんにお話を伺いました!

お話を伺ったのはこちらの3選手!


(写真左から)
鰐部太空海(わにべたくみ)選手
誕生日:2001年10月3日(23歳)
身長:164cm

河村了(かわむらりょう)選手
誕生日:1983年12月20日(41歳)
身長:167cm

羽田妃希(はだきさき)選手
誕生日:2003年2月12日(22歳)
身長:157cm

ボートレーサーになるために必要なのは
「なりたい」という意思の強さ

ボートレーサーを目指したきっかけを教えてください。

河村 高校のころ、初めて父に連れられて行ったボートレース場でレースを見ました。当時サッカーをしていて運動神経が良かったことと、目が良くて身長が低いという身体的な理由で、進路としておもしろそうだなと感じて目指しました。

羽田 高校3年生のとき、将来やりたいことが見つかっていない状態で大学に行っても意味がないかなと思っていたんです。そんなとき、父の友人に勧められたのがボートレーサーでした。それまでボートレースには興味がなかったのですが、生でレースを見てみるととてもかっこよくて、ボートレーサーになろうと決めました。

鰐部 おじいちゃんがボートレース好きでよくこのボートレースとこなめに連れて来てもらっていました。中学生のころ、ペアボートに乗ったことがきっかけで、憧れを持つようになりました。

ボートレーサーになるために、必要なスキルや免許はありますか?

鰐部 養成所に入る前に二級小型船舶操縦士免許を取得しておく必要がありますが、2日くらいで取れるので心配する必要はありません。

羽田 私は部活でバトミントンをしていた以外のスポーツ経験はほぼなくて、養成所の入所試験を受けたときは腕立て伏せが1回もできず、1500m走り切ることもできなかったですが合格したので、スポーツ経験もなくて大丈夫です。

河村 試験で見られているのはスポーツ経験の有無や運動神経ではなく、「ボートレーサーになりたい」という意思の強さなんだと思います。

時速約80kmのボートを操るのは怖くないですか?

鰐部 ペアボート体験のときも速さに驚きましたが、ペアボートは普通のボートより速度が出ないので、養成所に入って初めてひとりでボートに乗ると、もっと速くて。でも怖さはなく、楽しかったです。

羽田 私も速いけれど楽しいなと思いました。

河村 僕は正直そんなにスピードが出る乗り物は好きじゃなくて、車も安全運転です。でも、ボートレースは自分の努力がそのまま結果として返ってくるし、高額な賞金もいただける。そのメリットが、スピードが出る乗り物に乗ることに対する恐怖心を上回りました。

養成所ではどんなことを学ぶのですか?

羽田 最初は「礼と節」を学ぶところから始まります。

河村 ボートの操縦だけでなく、細かいルールやボートの整備、モーターボート競走法という法律などたくさんのことを1年間で学ばないといけないので、団体生活で効率よく動けるよう、人としてのあり方をまず教官から叩き込まれるんです。

羽田 入所してからも学科、操縦、整備の試験があり、それをクリアしないとプロにはなれません。

鰐部 最初の1ヶ月くらいは覚えることが多くて余裕がなかったですが、毎日同期といるので、だんだん楽しくなってきますよ。

河村 部活動の仲間と共に大変なことを乗り越えるようなイメージですね。授業後は自由時間もありますよ。僕はその時お菓子を買って食べるのが楽しみでした。

鰐部 僕はボートに乗ることが好きなので、自由時間もずっとボートに乗っていました。

河村 そういう人が強くなるんでしょうけど、僕はそんなことよりもコアラのマーチが食べたかったんです(笑)

養成所を卒業しプロになると、どんな生活になるのでしょうか?

河村 ボートレーサーは勝率によって階級分けがされていて、その階級によっても違いますが、多い人で年間約200日ほどレースに出ます。レース期間中はボートレース場にある宿舎で生活をします。

羽田 お休みの期間中、練習するしないは自由です。私は先日3ヶ月間のお休みがあったので、最初の1ヶ月は海外や国内を旅行して、残りの2ヶ月は毎日練習に行きました。

河村 普通のお仕事だと、なかなか1ヶ月も旅行できないですよね。レースに出る以外にも、広報活動や後輩の育成といったお仕事もあります。ボートレース界には先輩と師弟関係を結び、仕事のノウハウを学ぶ文化があって、僕には羽田さんを含む3人の弟子がいます。

羽田 養成所で学ぶことはあくまで基礎的なことなので、デビューしたてのころは何もわかならない状態で。わからないことを聞くと1から100まで詳しく教えてくれるのが河村さんだったので、弟子にしていただけるようお願いしました。


1着を取ったときの嬉しさを超えた感情は
ボートレーサーでしか味わえない!

レースに勝つために、どんなことを意識されているのでしょうか?

羽田 本番中は走る位置などを考えています。操作は無意識で行っていますね。練習のときはどうしたら上手に旋回できるかをひたすら考えています。

鰐部 ターンはレースを左右する重要なポイントなので、僕も最高のターンができるように練習しています。プロペラの仕上がりでターンが変わってくるので、プロペラの整備も大切です。

河村 エンジンもプロペラも、まずは無事にゴールができるように、そのうえでレースに勝つために性能UPを目指して整備します。

ボートレースは男女混合でレースが行われますが、女子選手ならではの強みはありますか?

羽田 男子選手と比べると、体を使ってボートを操るのが難しいですが、その分体重が軽いという利点があります。

ボートレーサーになって良かったなと思うことはなんですか?

羽田 初めて1着を取ったときは嬉しかったですね。今でも先頭を走っているときは楽しくて、この瞬間のために頑張ろうというモチベーションになっています。

鰐部 難しいアウトコースから勝ったときですね。でも、ボートレーサーにとって、一番嬉しいのって、きっと優勝したときだと思います。僕はまだ優勝したことがないので、早くその気持ちを味わってみたいです。

河村 お客さんの期待を背負って走っているので、1着を取ると嬉しいを超えた、どこかホッとするような感情になります。これは経験してみないとわからないと思うので、ぜひ選手になって味わってみてください。

他のスポーツと比べて選手寿命が長い競技ですが、みなさんは何歳までこのお仕事を続けたいですか?

鰐部 天職だと思っているので、できる限りはずっと続けたいです。

羽田 45歳で一度区切りをつけて、その後続けるかどうかを考えたいです。

河村 僕は子どもが大学を卒業するまでかなと思っています。

ボートレーサーさんは公人として、人から見られることが多いお仕事ですが、人目は気にならないですか?

羽田 高校生のときは他人にどう思われているか悩んでいましたが、ボートレースという熱中できるものが見つかって自信がついたことで、人にどう見られようが自分には関係ないと思えるようになりました。

河村 一回きりの人生なので、主体的にならないと。服だって流行に乗らなくても自分が好きだと思うものを着ればいいんです。社会に出るといろんな人がいるので、絶対自分の生き方に共感してくれる人に出会えますよ! 羽田さんの場合はボートレース、うちの娘なら音楽。好きなことに夢中になっていれば、周りにも同じような人が集まってくるはずです。

最後に、ボートレーサーとしての夢を教えてください。

鰐部 年末に行われる「賞金王決定戦競走」という優勝賞金が1億円のレースで優勝したいです。

羽田 トップ20%のA1級レーサーになりたいです。

河村 僕はもう自分が描いていた夢はだいたい叶えました。今は、皆さんにボートレースについてもっと伝えられるアウトプット力をつけたいと考えています。

今回お話を聞いた3名とも、高い志を持ってレースに挑まれていて、とてもかっこよかったです!取材していくうちに、ボートレースの奥深さを感じて、もっと詳しく知りたいなと思うようになりました。


第140期 ボートレーサー募集

募集期間:2025年7月1日(火)~9月5日(金)
お問い合わせ:一般財団法人 日本モーターボート競走会

養成費用は無料です! 募集要項はこちらから↓

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