M-1グランプリ2023で2022年に続き、2年連続で決勝進出を果たした、さや香。石井さん・新山さんは、“芸人”という道をどう捉えている?
ハイスクールマンザイ出場を目指す高校生への思いやアドバイスもお聞きしました!
軽い気持ちから始まった!?
お二人が芸人の道を志してNSCに入られた時って、この1年間をどう過ごそうと思われていましたか?
新山 僕は大学2回生の時に入ったんですけど、大阪教育大学で学校の先生になるという保険は利いていたので、無理やったらやめようぐらいの気持ちでした。ダブルスクールみたいな感覚で。
両立させるのって大変ではなかったですか?
新山 全然! NSCって学業優先という方針があるんで、僕はNSCの授業はほとんど行かず、ネタ見せだけ行ってたんです。人それぞれ柔軟に対応してくれてましたよ。
石井 僕は大卒で入ったんですけど、特に何も考えてなかったです。大学で東京に出ていて、大阪に帰ってきてNSCに入ったので、好きな大阪の環境やったし、大勢でキャンプに行ったり、クラスのみんなと仲良くして学校みたいな感覚でした。
そうなんですね。もっと皆さん1年で結果を出さないとって思われているのかなと思っていました。
新山 人によるかもしれないですね。もちろん期限を1年って決めている人もいますし。でも今って遅咲きの人も多いから、そんなにすぐ売れることを目指してない人も多いかもしれないです。令和ロマンもそんなに若くないですからね。二人とも大卒やし、松井ケムリも30歳でしょ。
たしかにそうですね。
新山 NSCに入るっていうのは、一つのきっかけ。ハイスクールマンザイに出るっていうのと同じ感覚というか。NSCに通っていた1年間と今の芸人生活ってあまり差がないんです。特別な1年という感じでもなく芸歴0年目で、その延長線上で今があるという感じかな。
めっちゃ頑張った1年間、という感覚とも違うんですか?
新山 僕が一番頑張ったのは去年なので。やっと去年頑張りました(笑)。NSCだけが競争というわけでもなくて、漫才劇場も学校感あるし、みんなとずっと休み時間を過ごしてる感じですね。
石井 僕もそうですね。
新山 今も仕事っていう感覚はまったくないんです。ちゃんとお金を稼いでごはんを食べていくという感覚やったら、たぶんM-1の2本目で「見せ算」はやってないからなぁ。せっかく芸人やってるんやったら、自分の好きなことがまず大前提にあって、それでお金もらえたらラッキーという感覚です。お金もらわれへんようになったらやめたらいいやんって。それは始めた頃から変わってないかもしれないです。
石井 僕も「仕事行ってくるわ」とは言うたことないですね。
そうなんですか!?(この日はハイスクールマンザイの取材と撮影のために朝一で大阪から東京へ。終わり次第、お昼にはトンボ返りでまた大阪へ帰って劇場というハードスケジュール)
石井 今日も「撮影と取材あるから行ってくるわ」って。ロケとか、もちろんしんどいこともあるんですけど、仕事とは言わないですね。
新山 仕事じゃないからゼロになる可能性も秘めてるんですけどね。僕はネタとか全部書いてるし、こうして欲しいとか注文してる側やから、逆に石井は漫才って仕事感覚なんかなって思ってましたけど。それは今初めて聞きました。
石井 仕事じゃないですね。
お二人とも同じ感覚でいらっしゃったんですね。石井さんはまったく違う職業に就く自分って想像つかないですか?
石井 大学の頃は別のルートも考えていたけど、無理やったからやりたいことやろうって思ったんです。今考えても無理でしょうね。これしかできひん。だからすごいラッキーなんです。
お二人が壁にぶつかった時に軸にしているものってありますか?
石井 僕は芸人になった時点で、なるようにしかならへんと思ってるんで、力が届かんかったとしても、届く範囲で楽しめるものを探すというか。理想って見すぎるとキリないじゃないですか。でも努力とか頑張ったりとかできるタイプの人間じゃないんで、自分がある環境で楽しく充実させた方がいいと思ってるところがあると思います。アホなだけやと思うんですけど。
新山 僕の軸になっているのは、ムカつくからという気持ちです。2017年にM-1出た後に、3年くらい準々決勝で負けてた時とか、ほんまにムカついてたんです。2022年に準優勝して、もう1年大阪に残って爪痕残さなあかんと思って、見せ算を最終決戦に出そうと決めて、ホームステイを作ったんです。だからなんて言うんかな…言葉強めに言うと、殺意みたいな…それぐらいの執念というか、ムカつくっていう気持ちですね。
それは自分に対しての苛立ちですか?
新山 自分もやし、周りにも。内も外も。だからそれをやり切るしかないという感じで。僕もなんでこんな感情になるんかわからないんですけど、湧いてくるんです。負けたままでは終わられへんし、絶対にやったる! っていう気持ち。そもそもはサボりで努力家ではないんですけど、負けず嫌いなんですよね。
後悔しないように出た方がいい
ハイスクールマンザイに出場する&出場を悩んでいる高校生にメッセージをいただけますか?
石井 日本って、毎年M-1のエントリーもすごい数やし、自然と漫才という文化に興味を持つ国民性なんやなぁと思うんです。ハイスクールマンザイもすごいレベルの高い競い合いになっているから、少しでも興味を持つ人は出場したら間違いなく良い思い出になると思うし、その経験が芸人の道にも直結すると思います。そのまま劇場に入ってくる人も多いし、悩んでいるのであれば後悔しないように絶対に出た方がいいと思います。
新山 去年の偽ビートルズもすごいウケてましたもんね。僕は高校生の時は、あるのは知っていたけど“そんなん出るのは恥ずいやろ”っていう気持ちもあって出ていなかったんですけど、失敗してもいつかその経験は繋がってくると思うから、全力でフルスイングして欲しいなと思います。ネタの中身でもいいし、声の大きさとかパフォーマンスの部分でもいいし、キャラクターを作り込むでもいいし、中途半端にせずに、やるんやったら、ビビらず思い切ってやって欲しいですね。
でも、舞台はビビりますよね(笑)
石井 絶対緊張すると思いますしね。
新山 お客さんの前でネタする時は、絶対飛ばすと思うんです。僕も学祭で漫才した時は、遊びやけどめちゃくちゃ緊張しましたし。でもそれは慣れるしかしゃあないから。だから100点でやろうと思わん方がいいかもしれないですね。2〜3分のネタやったら、3つくらいはミスはするっていう想定でいたらいいと思います。
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新山(にいやま)
1991年10月17日生まれ 大阪府東大阪市出身
NSC大阪校34期生
石井 (いしい)
1988年5月28日生まれ 大阪府大阪市出身
NSC大阪校34期生
2014年コンビ結成