映画『かそけきサンカヨウ』志田彩良・鈴鹿央士|「高校時代、家族に恋愛の話はできましたか?」

志田彩良, 鈴鹿央士

幼い頃に母親が家を出て以来、自分のことは自分でやる癖がつき、年齢よりも大人びてしまった陽と、陽が淡い恋心を抱く同級生の陸。それぞれが自分の恋や人生を迷いながらも手探りで掴もうとする様子が、まるで側で見ているように描かれる映画『かそけきサンカヨウ』。志田彩良さんと鈴鹿央士さんにお話を伺いました。

かそけきサンカヨウ

「ドラゴン桜」ファンには激アツ
撮影はドラマより前だった!?

まずは「ドラゴン桜」のおふたりが共演されると聞いて、激アツだなと思いました。

志田・鈴鹿 良かったです! ありがとうございます。

志田 実はこの映画は1年ほど前に撮影していて、まだドラマの出演も決まっていませんでした。

学生として共感する部分も多く、今日は作品について一緒にお話いただきたいなと思っています。完成した作品をご覧になっていかがでしたか?

志田 1年前に撮影しているのですが、その時は精一杯だったので、“今ならこうするかな”という反省点ばかり気が付きます。でも頑張っていたので、その思いが皆さんに伝わればいいなと思います。

鈴鹿 僕も同じで、すでに3回ほど観ているんですが、1回目は普通に作品として観て、2回目くらいからは自分の粗探しをし始めてしまいました(笑)。このテンポが、とかこの間が、とか考え始めると止まらなくて…。この1年で僕も「ドラゴン桜」などいろいろ経験させていただいたので、今とはまた違うけど、あの時の自分にしか出せなかったものかな、と思っています。

キラキラした恋愛映画という感じではないのに、10代の感情とか憧れが全部入っていて、2時間があっという間でした。キュンキュン要素もいろいろありましたよね!

志田 嬉しいです!

志田彩良, 鈴鹿央士

でも陸くん(鈴鹿さんの役)ってズルくないですか?(笑)

鈴鹿 え、なんですか!?(笑)

志田 ズルいです(笑)

ですよね! 「好き」について悩んだり、どっちつかずな感じ。あれはモテますよね。

志田 そこに陽(志田さんの役)は引っかかっちゃったんでしょうね。

鈴鹿 “引っかかった”って言わないで(笑)。でも「好き」という感情って単純だけど複雑でもあって、友だちとしての好きと恋愛としての好きがある中で、陸は自分の感情の答えを見つけるために悩みながら前に進もうとしているので、まぁズルいとは思いますけど…うん(笑)

志田 でも央士くん自身の柔らかさがあるからこその陸くんだったなと思います。原作を読んで感じたままの陸くんが映画でも見ることができました。現場でお芝居させていただいていても、“本当に陸くんがいるんだな”という感覚でした。

映画の中の皆さんのふとした空気感がすごく自然でした。監督から何かそうした指示はあったんですか?

志田 今泉監督とは何度かご一緒させていただいていて、これまではシーンごとに「こういう感じで」と言われることがありましたが、今回は不安になるくらい何も言われなかったんです(笑)。そこは今泉監督を信じて演じていきました。

鈴鹿 映画にも映っている喫茶店でいつもみんな集まっていたんですが、同じバスケ部員役の遠藤雄斗くんがしゃべって、みんなが何かリアクションする、みたいな映画のままの雰囲気でした。現場では音楽の話をしたりもしていましたね。

志田 遠藤くんがキャラクターのままで、みんなをすごく盛り上げてくれました。

志田彩良, 鈴鹿央士

配役も皆さんぴったりでしたよね。あとは家族に言えないモヤモヤした悩みもとてもリアルでした。おふたりは高校時代、いかがでしたか?

鈴鹿 高校時代は、親と恋愛の話をすることなんて恥ずかしくて絶対にできなかったですね。もし彼氏彼女ができました、ということになっても「じゃ、会わせてよ」みたいなノリになるのも嫌だし、「へぇ」くらいで済まされるのもそんなに興味ないのかなという気持ちになるし、どんなリアクションがくるかわからないし。

志田 私はみんなに驚かれますが、1日の出来事から恋愛の話まですべて両親にも兄にも話しています。好きな人ができた時点で「好きな人ができた!」と家族に話しますから(笑)

すごい、それは憧れます!(笑) 恋愛話は絶対に言えないです。進路に関しては悩まれたりしましたか?

志田 私はあまり悩みませんでした。

鈴鹿 僕は高2の11月にスカウトされて、それまでは、岡山だったので福岡か兵庫の大学に行こうと思っていたんですが、お仕事をするとなら東京に行かなきゃいけないとなって、高3の春頃から東京の大学を探し始めて受験しました。進路も何があるかわからないので、いろんな選択肢が目の前に現れた時に、柔軟に動けるように準備しておくことが大事なんじゃないかなと思います。

志田 この道に進むことは、反対されなかったの?

鈴鹿 反対はなかったかな。「楽しそうやん」って(笑)

逆に志田さんが悩まれなかったのはこの道に迷いがなかったからですか?

志田 私は小学6年生の時に事務所に入っていて、高校生になってもお仕事がずっと変わらず楽しくて。だから進学はせずこのまま役者のお仕事をしていきたいということは決めていました。

志田彩良, 鈴鹿央士

高校時代の青春は
“制服のまま海”“何気ない日常”

おふたりはどんな高校生だったんですか? 行事とか積極的なタイプでしたか?

志田 体育祭は大好きで、やる気のあるタイプでした(笑)。打ち上げもしっかり楽しんでいました。

鈴鹿 僕は、そこに頑張って参加しようとしている人(笑)。打ち上げも行くんですが、ガッツリど真ん中、ではない感じです。

何か高校時代の思い出ってありますか?

志田 湘南の海からすぐ近い高校に通っていたので、帰り道に友だちと自転車で海に行って、制服のまま海に入っていました。

え、制服のままですか!? めっちゃ青春!

志田 はい! 頭まで浸かってました(笑)。乾くと塩で制服が真っ白になるので、母からは「せめてジャージにして!」と怒られていました。

鈴鹿 僕の地元は山と田んぼしかなかったですが、夕日を見ながら自転車で山道を帰る、というのはありました。今振り返ると、月曜日から土曜日まで毎日同じクラスで顔を合わせることって、卒業するとなくなるんですよね。高校で出会った友だちとは、今でも電話したり連絡を取り合っていますし、何気ない毎日が楽しかったなと思います。

志田彩良, 鈴鹿央士

最後に高校生読者に映画のオススメをお願いします。

志田 高校生だからこそ共感してもらえる部分は多いのかなと思います。大人とはまた見方が違うというか。だから仲の良い友だちや好きな人を勇気を出して誘って、一緒に思い出づくりをしてもらえたら嬉しいです。

鈴鹿 陸と陽それぞれの家族の物語が描かれていて、陸がズルいなと思う人もいればそうじゃない人もいるかもしれないし、いろんな捉え方ができる映画だと思うので、観終わった後にそうしたことを一緒に話し合ってもらうのも良いんじゃないかなと思います。

今月の特集テーマ
「地球にいいこと、考えよう」
Q. エコバッグ、使ってますか?

志田彩良, 鈴鹿央士

志田

常に持ち歩いています。使っているのはネイビー1色の小さく折り畳めるタイプ。SDGsの本を読んでいるのですが、今の私たちの行いが2030年に影響するということが書いてあり、10代20代の私たちが中心となって環境問題に取り組むべきだな、と感じています。食べ残しの現状についても、日々自分が気を付けていくことで環境への悪い影響を減らせると思います。
僕も持っています。コンビニのレジ袋サイズで生地はしっかりしているものを使っています。ドキュメンタリー番組を見ることが多くて、水の問題や地球温暖化など、社会問題にはとても関心があります。一人暮らしなので限りはあるのですが、洗い物やお風呂にためる水の量には気をつけていて、こうした意識を持つ人が増えれば、大きな変化につながるかなと思っています。

鈴鹿

志田さん
ヘアメイク:脇坂美穂(OTIE)、スタイリスト:山本隆司(style³)

鈴鹿さん
ヘアメイク:阿部孝介(トラフィック)、スタイリスト:松川総(TRON)

鈴鹿さん
ジャケット(STILL BY HAND) ¥39,600
シャツ(SEVEN BY SEVEN) ¥30,800
ロンT(SEVEN BY SEVEN) ¥13,200
パンツ(TOMORROWLAND) ¥19,800
シューズ(Paraboot) ¥72,600
※全て税込み

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かそけきサンカヨウ
  • 原作:窪美澄『水やりはいつも深夜だけど』所収「かそけきサンカヨウ」(角川文庫刊)
  • 監督:今泉力哉
  • 出演:志田彩良、井浦新、鈴鹿央士、他
  • 配給:イオンエンターテイメント
  • ©2020映画「かそけきサンカヨウ」製作委員会

10/15(金)全国公開

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