世界の夢をのせたALEの人工流れ星。新たな宇宙エンタテインメントが2020年、ついに実現する!?

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さおり(高2)・たくみ(高1)

株式会社ALE 岡島礼奈社長

流れ星を人工的に再現し、宇宙を舞台にしたエンタテインメント事業「Sky Canvas」やデータサイエンス事業を進める株式会社ALE。そんな夢のような話が2020年春には実現するかも!? と聞き、さっそくその第一歩、人工衛星打ち上げパブリックビューイング&記者会見が行われるALEオフィスを訪問して来ました!


    2019年11月29日(金):人工衛星打ち上げパブリックビューイング&記者会見

  1. ALEの人工流れ星のための粒をのせた人工衛星2号機が、この日ニュージーランドのマヒア半島よりRocket Lab社のロケットによって打ち上げられると聞き、ライブ中継を見るために多くのマスコミや関係者が集まりました。
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  3. 岡島社長、取締役、チーフエンジニアからALEのプロジェクト内容や今後の展開を発表。人工で流れ星を作るという前代未聞の内容に注目が集まります!
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  5. いよいよロケット打ち上げの瞬間をとらえようとテレビカメラがスクリーンに集まります…が! スマホを覗く社長の顔色に曇りが…。どうやら直前で打ち上げの日程を調整することになった模様。これには社長も「“ロケットあるある”です」と苦笑い。(ロケットはその後12/6に無事打ち上げ成功!)
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  7. chスタッフの質問にもお答えいただきました!
  8. ALE

どんなことをしている会社なんですか?

人工で流れ星を作る会社
目標は科学を社会とつなぐこと

簡単に言うと“人工で流れ星を作る”会社です。

宇宙エンタテインメント企業としてフォーカスしていただくことが多いのですが、私たちは、“科学を社会につなぎ宇宙を文化圏にする”ということをミッションとして掲げています。科学や宇宙技術と言うと、とっつきにくいと感じられる方もいらっしゃると思うので、流れ星が興味を持ってもらうきっかけを作れたらなと思っています。

これから人類はどんどん宇宙に出ていく時代になっていくので、快適に宇宙で暮らすための研究をしたり、またそれで得た知見を地球にフィードバックしたりしてより良い地球環境を作り、地球自体のサステナビリティを支えていく存在になりたいと思っています。

流れ星って人工で作れるの!?

天然の流れ星と同じ原理
人工衛星から流れ星の素を放出

天然の流れ星は、宇宙空間に漂う大きさ数ミリ程度の塵が大気圏に突入し、空力加熱という現象により高温なプラズマ状態となることで発光します。

私たちは、まず流れ星の素となる粒(流星源)を搭載した人工衛星をロケットにより宇宙空間に打ち上げます。人工衛星が周回軌道に乗った後、人工衛星に搭載した特殊な装置から、流星源を正確な条件(位置・方向・速度)で放出します。

その結果、流星源は地球を約3~5分の1周した後、大気圏に突入し、天然の流れ星のように発光します。これらの人工流れ星は、地上から直径200kmという広範囲で鑑賞することができます。

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▲流星源の放出イメージ                

人工流れ星はどんなビジネスになるの?

第1回は2020年春予定
新たなエンタメのコンテンツに

ひとつは人工流れ星を流すことで得られる中間圏(地上50~100㎞の領域)のデータを提供していくこと。もうひとつは人工の流れ星をエンタテインメントとして提供していくこと。この大きくふたつの価値を作っていこうと考えています。

データサービスについては、これまで計測が困難だった地上60~80kmの中間圏に人工流れ星を光らせることで、大気組成や風速などの貴重なデータを取ることができます。中間圏は地上の気象現象と密接に関連しているということがわかってきているので、このデータを使って、異常気象のメカニズムの解明や気象予測の精度向上などにもつなげることができます。

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▲流れ星を眺める人々                

もうひとつは、エンタテインメントのコンテンツとして注目を集めること。例えば世界各地のニューイヤーのイベントやスポーツなど大型の式典、流れ星を見に行くクルーズツアーを企画するといった展開を考えています。明るさとしてはマイナス一等星、都内でも見られるレベルです。

どのようなパッケージで提供していくかは検討中ですが、およそ1回のショーケースとして1億円前後を検討しています。初めての流れ星のショーをどこでするかは交渉しているところですが、早ければ2020年春を予定。今回打ち上げる人工衛星2号機は、打ち上げ後軌道に投入され、その後数ヶ月に渡って運用試験を実施します。

流れ星の中にお米が入っているってホント!?

「星取県」の「星空舞」が
その名の通り星空を舞う!

私は鳥取県出身で、星空がきれいな鳥取県で育ったことが宇宙に興味を持ったきっかけでもあります。鳥取県は今「星取(ほしとり)県」とも言われていて、「星空舞(ほしぞらまい)」というお米を作っているんです。そんな星空舞を本当に夜空に舞わせようということで、流れ星の素となる粒の中に星空舞が数粒ずつ内蔵されています。

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星取県=鳥取県庁の方も応援に。この人工流れ星のプロジェクトは、みんなの夢を乗せています。

岡島社長はどんな高校生でしたか?

当時から宇宙が好きで
周りからは浮いていた!?

あまり自分を客観視しては見られないですが、たぶん、周りから浮いていた気がします(笑)。勉強は…そこそこですね…そんなに得意ではなかったです。でも宇宙のことは好きだったので、宇宙に関する本はよく読んでいました。

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社長の学生時代については、「今日一番歯切れの悪い回答になってしまった」と笑う社長。

岡島社長から高校生へ

岡島社長

遅刻や忘れ物もよくするので、私は全然優等生ではないんですが、「やりたい」と思って突き進めば、何とかなってきたなという気がしています。会社はいろんな人の能力を合わせる場所。だから自分の能力をあまり気にせずに進んでいいと思うんです。もちろん自分の得意技があればそれに越したことはないですし、それも磨きつつチームで挑めば、おもしろいことができるんじゃないかと思います。
    最後に。この会見が行われた後日、12月6日に人工衛星をのせたロケット打ち上げが成功した瞬間。

    (16分過ぎあたりから)
    Three…Two..One..のカウントはまるで映画を見ているよう。
    ロケットが打ち上がり、MAX Q(最大導圧点)を超えた時にはRocket Lab社のスタッフの歓声と拍手が起こり、見ているこちらも一緒に興奮します!

岡島礼奈Lena Okajima
‘79年、鳥取県出身。東京大学理学部天文学科卒業後、同大学院理学系研究科天文学専攻にて博士号を取得。在学中に、サイエンスとエンタテインメントの会社を設立。 ゲーム、産学連携のサービスなどを立ち上げる。 卒業後、ゴールドマン・サックス証券入社。 ‘09年、新興国ビジネスコンサルティング会社を設立。 ‘11年9月に株式会社ALEを設立、現在に至る。代表取締役。