【よしもとTALK】大塚澪|メンタルが弱い人、人間関係に悩んでいる人に届けたい最強の「ゾンビメンタル」!

今月は、5月13日に『ゾンビメンタル~どんなにヘコんでもすぐに復活する人の思考法~』を出版された吉本新喜劇の大塚澪さんが初登場! 新喜劇「金の卵9個目オーディション」に合格し、音大を中退して大阪へ。自称「よしもとで一番怒られている芸人」の大塚さんが“ゾンビメンタル”を手に入れるまで、また高校生が実践できる大塚さんの思考法をいろいろアドバイスいただきました!

メンタルが弱い人にこそ伝えたい
大塚流「ゾンビメンタル」の極意

『ゾンビメンタル~どんなにヘコんでもすぐに復活する人の思考法~』のご出版おめでとうございます。書き終えた時の感想はいかがでしたか?

大塚 ありがとうございます。企画から書くまでに2年ほどかかって、その間に時代の流れが大きく変わってしまったんです。2年前は会社の中でも「怒られて悩んでます」という人がたくさんいたので、アンガーマネジメントの受け身で「アンガーされ、マネジメント」という切り口で書き始めたんですが、今はなんちゃらハラスメントが流行りすぎて怒られること自体が減ってきた代わりに、メンタルが弱い人がすごく増えたので、途中からメンタルを復活する人の話に変えました。時代の流れを読みながら書いていくというのが、楽しくもあり、大変でもありました。

怒られたことは絶対に振り返りたくないのに、大塚さんは「怒られノート」を書かれているそうですね。

大塚 ネタを考える時に、意外と世の中の不満がピン芸人のネタの基盤になっていることが多いんです。それで、私も最近あった嫌なことを日記のように書き始めたら、ネタそっちのけで、「この人の言いたかったのはここだよね」という核心に気づいて、対策まで書くようになって。人間関係って大変なことがたくさんあるけど、ノートを書いていたら、相手のことをよく知れて、悩む時間を削れるんじゃないかと思うようになりました。

元々書くことがお好きなんですか?

大塚 芸術高校の音楽科に通っていた時は、生まれた時から環境が整っている子たちにかなわないと思う瞬間が何度もありました。ただ、公立なので夏休みに読書感想文や作文なんかの課題も出るんです。そこで意外と賞を取れていたので、3年間担任だった先生が、進路は音楽大学ではなく国立で新設された文章を書く学科に行く方がいいんじゃないかと言われたんですが、プライドが高かったから音大に行きました。でも先生に言われたことがずっと頭の片隅に残ったまま大人になって、希望を捨てきれずに、本を出した感じです。

本を出されたことについて、芸人仲間の皆さんからの反応はいかがでしたか?

大塚 みんなに「大塚先生!」っていじられてます(笑)。めっちゃ恥ずかしいです。今は「誰が先生や」とか言ってるんですけど、これに馴染んで先生を素直に受け入れてしまった自分が怖いので、謙虚にそうならんよう気をつけてます。

読者の方からの反応はいかがでした?

大塚 大事なところに青い線が引いてあるし、漢字も少ないのでけっこう読みやすいって言われてます。

大塚さんが作られた“ゾンビメンタル”という言葉がとてもキャッチーでかわいいです。

大塚 TikTokとかで流行らせたいな。ちょっと学校で、「あいつゾンビメンタルやな」とか言ってみてほしい(笑)。流行語とかになったらいいですね。

「吉本で一番怒られている芸人」と自認されている大塚さんが、“怒られてからがいい関係性を築く始まり”と思われるようになったきっかけを教えてください。

大塚 上司は変えられないし、関係性も変えられないのに悩むのって時間がもったいないなと思ったのがきっかけで、その人と上手くやるしかないのなら、まず相手のことを知ることが大事だと気づいたんです。今までは自分が怒られないためにどうするかという行動をしていたけど、相手が喜ぶためにはどうしたらいいかという考え方に一歩進んだのは、(間)寛平師匠のお叱りを受けて気づいたところが大きいです。

自分を怒った人が喜ぶことをするのは難しそうです…。

大塚 喜ばせるために相手の自尊心をくすぐりまくるんですよ。ズルい話ですよ。でもその方が、結構お得かもしれない。”無料でできる努力はやろう!“みたいな感じですね。それが、怒られた相手との関係性を良くするコツやったりします。

大塚さん、メンタルは強い方ですか?

大塚 実は弱いです。弱いからこそ、生きるためにどうしようって考えてます。今もめっちゃヘコみますよ。高校時代も毎日泣きながら学校に行ってましたし。

そうなんですか!?

大塚 音楽高校だから部活の後に練習しなきゃいけなくて、夜10時の終バスギリギリまで練習するんですけど、“こんなに頑張ってるのになんで報われないの”って帰り道に泣くとか全然ありました。強い人が書く強い本って、あんまり説得力がないけど、これは弱い人が書いた防御の本なんです。

相手はどんな人だろうと思うと
それだけで明るい道が開ける

高校時代はクラスでどんなキャラでしたか?

大塚 大人数でお昼を食べるうるさい子。授業中も騒いだり、お菓子食べたり、体育祭ではめっちゃはしゃいで。非常階段とか人通りが少ないスポットを見つけて、お気に入りの男子としゃべったりしてる子でした(笑)

今の大塚さんが高校生時代の大塚さんに声をかけるなら、どんなメッセージを送りますか?

大塚 「今のうちに遊んどきなさい」かな。高校時代の友だちは、「あんなアホなことしてたよね」って笑い合える子の方が意外と出世してたりして、この本を出す時にも助けてくれたりしたんです。

音大を辞めて新喜劇に飛び込む時は、勇気は要りましたか?

大塚 まったく世間のことを知らないから、怖いもの知らずで飛び込みました。家が埼玉の秩父市という田舎で、“大阪”をネットで検索すればするほど怖いことが出てくるから、何も検索せずに、2万円だけ握りしめて出てきました。アルバイトの探し方もわからなくて、マンションの管理人に「バイト紹介してくれ」って言ったら、「ハローワーク行け」と言われて行ったり。これって検索しなかったからこそできたことなので、みんなもすぐChatGPTに聞いたらあかんよ(笑)

はい(笑)。チャレンジはした方がいいですか?

大塚 やってみた方がいい。25歳ぐらいまでは大人がなんぼでもフォローしてくれる。25超えてアホやったらちょっとヤバいやつになってくるけど、25までは大人が助けてくれるし、物理的に助けてくれなくても、助けになる知恵をくれたりするから、そこでわからないことは仮説を立ててやっていけば絶対に大丈夫。何かやりたいことあるの?

はい、今バンドをやろうってなっていて。オーディションに動画を出してみようかと。

大塚 めっちゃいい。大丈夫! ほんまに家帰って動画撮りなさいよ。私はその勢いで来たんよ!

本を書かれて、大塚さんの世界は変わりましたか?

大塚 意外と価値観って変わらないなと思いました。でも本を書くことで、自分の素晴らしさに気づいたり、頭が整理されたことで、人が質問してくれることに対して答えやすくなったというのはあります。講演会の仕事が来たりして、仕事の幅は少しずつ広がってます。そのうち高校にも行きますよ。

ぜひ来てほしいです! 考え方や行動力がすごい大塚さんのような人になるにはどうしたらいいですか?

大塚 人に興味を持つことじゃないかな。相手がどんな人だろうと思うだけで、明るくなるじゃないですか。大阪に来て、対面カウンターだけの高級な和食屋さんで7、8年バイトしてたことがあるんですけど、大将がよく「俺、人好きやからな」って言ってて。私はそんなに人のこと好きじゃなかったんですが、無理やり「人好きだからね」と言っていたら好きになってきました。

言葉にすると実現しますか?

大塚 “ゼロイチを言ってみる”のはありです。例えば「人好きやねん」って言ってたら、踏み込んできてくれる人が出てきて、明るい人が集まってくるかもしれないですよ。

大塚澪のさんの
「留学するならどこの国に行きたい?」

大塚 シンプルに音楽だけで言ったらイタリアかな。でもイタリアは旅行がいい。私、“大阪留学”してる感覚やから、外国への留学って考えたことなくて(笑)。ただ、英語はしゃべれるようになりたいから、行くならアメリカですかね。

大塚澪

1997年3月12日生まれ
埼玉県出身
吉本新喜劇「金の卵9個目オーディション」合格

『ゾンビメンタル~どんなにヘコんでも
すぐに復活する人の思考法』

発行・発売:東洋経済新報社
¥1,760(tax in)